4.ごめんなさい ページ6
Aside
光が無くなったと悟り、ゆっくり目を開ける。
私は森の中で、一本の樹木に寄りかかって眠っていたそうだ。
近くには刀があり、恐らくこれが私の本体だろうと、直感的に思う。
乱[あー、聞こえる?Aちゃん。返事してくれるかなぁ?]
脳内に、先程別れたばかりの乱藤四郎様の声が響いた。
そう言えば、″必要な情報は、また伝える″って言ってたな…こんな風になるのか。
[はい、聞こえます。]
乱[そっか!早速だけど、身体の調子はどう?…嫌いだとは思うけど、触手も出してくれないかな…?]
恐らく、私の魂と自分の分霊が合ってるか、確かめたいのだろう。
短く返事をして、一度立ってみる。
特に異常はない。くるくる回ってみるが、むしろ身体が軽すぎるくらいだ。
全然傷がないからか…
[…はい、異常や違和感はありません。]
乱[それは良かった。…で、取り合えず、動けるなら、Aちゃんから見て、右に歩いてくれないかな?]
″大丈夫だよ、変な所には行かせないから!″と付け加える乱藤四郎様。
彼には私の目線がみえるのだろうか…と疑問に思いつつ、素直に従う。
あまり深い森ではないのだろうか、すぐにでも開けた所に出れそうだ。
そう思っていた、時。
乱[っ、左に避けて!]
[えっ、あ…?!]
いきなり言われて、身体が追い付かなかった。
混乱してると、後ろから左腕を刀が貫通していた。
痛みが尋常ではないが、何とか倒れずに、後ろを振り向く。
そこには、まるで″紛い物″と言えるくらい、邪悪なものだった。
乱[まさか、時間溯行軍がいるなんて!!
…Aちゃん、これからは僕の指示を聞いてて。怪我はさせないから!]
あれが、刀剣男士達が戦う、時間溯行軍らしい。
私と同じ臭いがする…と思っていた束の間、刀が自身の首に向かって刺そうとしているのが分かった。
ぐしゃ。
『………あ、あ、や…』
私は急な事に反応しきれず、
触手を出して、相手の刀をボロボロにしていた。
時間溯行軍は、奇声をあげて、消えてしまった。
『あ、ぅ…!!や、ごめんなさ…!』
乱[Aちゃん、大丈夫?!しっかりして、君は悪くないよ!]
乱藤四郎様の声だけが、脳内に響く。
やだやだ、ごめんなさい。
気持ち悪くて、皆と違って、ごめんなさい……
あ、ぁ、あア……
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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時