42．我が儘 ページ45
お風呂からあがって、内番服に着替える。
『……幸せなのも、悪くはないけど…やっぱり、駄目だなぁ。』
光があるから、闇がある。
太陽が輝くから、夜がある。
彼らは光で、私は闇。
歴史を守るって事は、かなり偉大だから。
『…過去があるから未来がある、ってね。』
＊＊＊
自分の生きてた時代に、行ってみたい。
別に人をどうこうしたり、その時代の私にあれこれ言うつもりはないけれど。
何となく…そう思ってしまったんだ。
『…ま、我が儘言ったって仕方ないけど。』
「それはどんな我が儘なんだ？」
声がした方向に、振り向く。
私は今、自分の部屋の近くの縁側に座っている。…何故自分の部屋に入ってきたのだろうか。
『…鶴丸さん。』
鶴丸「よっ、初出陣お疲れ。」
隣、座るな。と言って、私の左隣に腰を下ろす鶴丸さん。
どうやら、来たのはつい先程らしい。
まぁ……さっき、長谷部さんの怒鳴り声が聞こえたから、どうせ逃げてきたんだろうけど。
『…んー、我が儘…だよ。望んじゃいけない事を、望んでいるから。』
鶴丸「ふむ…それは一体なんだ？前世の過去でも変えたいのか？」
…刀剣男士がそんな事をするのは禁忌なのに、鶴丸さんはあえてそう聞いてくる。
私は否定する為に、首を横にふる。
…あんなろくでもない人生を変えたって、私にはどうだっていい。
別に変えられてもどうも思わないのだ。
鶴丸「ふぅん…まぁ、分かっていたが。そんなに深刻なのか？」
『いや、ただポツリ、と思い浮かんだだけ。命を欠けてでも行きたいっ！とは思ってないよ。』
自分の過去は、受け入れるしかないのだ。
過去を引きずったって、未来はどうせ変わらないんだから。
鶴丸「…人間は、大変だよなぁ。変な事に巻き込まれたりする事が多々あるから。」
『…そーだね。私の人生は、そんな大層な転機はあんまりなかったけど。』
ずっと倉庫に閉じ込められて、いい様に使われる。ひたすらそれの繰り返しだった。
ただ、欲深くなって、自意識過剰な奴になるより、それの方がマシだな、とは思ってる。
『人間ってね、デメリットのある物しか作れないんだと思う。
確かに、器用でたくさん物は作れるし、創造力だってある。
…けど、それが人々にとって必ず役に立つ物は作れない。それは、人間だってそうだ。』
私をこんな性格にしたのは
紛れもない、人間だから。
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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは？むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは？ (2019年12月27日 2時) (
レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます！更新がんばってください！ (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→１４５センチ 薬研→１５３センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる？ (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤林檎 | 作成日時：2018年9月11日 23時
