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39.嫌われる? ページ42

その時、乱のうなじ辺りから、何かうにょうにょとした物が生えてきた。

そして乱は、何本も生やしたそれを、検非違使に振りかざす。

それはどんどん検非違使を壊していった。

そして、終わった頃には、乱は血塗れになっていた。


『…ごめんね、怖がらせちゃって。』


そう言って振り向いた乱は、美しかった。


***

Aside

必死に触手を操る。

後ろの味方に当たらぬ様に、五本だけ生やして、ひたすら攻撃する。

一本は、刀を折って。
一本は、首と躰を離して。
一本は、四肢を斬って。

そして、どんどん血塗れになっていく。

……終わった。
あぁ、皆を置いてけぼりにしちゃったな。

そう思いながら、皆の方に向く。


『…ごめんね、怖がらせちゃって。』


苦笑いを浮かべ、取り合えず安心させる。

皆はひたすら口を半開きにして、驚いている。あの鶴丸さんでさえもだ。

…やっぱり、嫌われちゃうかな。

そう思いながら、出しっぱなしの触手を戻し、うなじも普通に肌色にする。

そのままうつ向いてると、一振がこう言った。


秋田「…凄い。」

『え?』

秋田「凄いです、乱姉さん!」


そう言いながら、私が血塗れにも関わらず、抱きついてくる秋田。

桃色のふわふわの髪の毛が露出している腕に当たって、くすぐったい。


秋田「やっぱり、乱姉さんは強いだけじゃないんですね!!」

『え、え?』


何が何だかさっぱりだ。
話かよく飲み込めない。

そんな時、清光が取り合えず帰ろう、と言った。


帰り道、秋田はこう言った。


秋田「その、ある刀剣男士が言ってたんです。偶然ですけど、″女に戦が出来るのか″って。

確かに、女性が戦に出る等、前代未聞だと、僕は思います。」

『……』


やっぱり、そういう人もいるんだな。

当たり前か、兄弟が私を許したって、他が普通に許せる、なんて事はないだろう。

はぁ、と小さな溜め息を吐く。


秋田「でも、乱姉さんは違いました。
刀だけでなく、首からも刃物が出るなんて。

まさに刀剣女士、ですね!
素敵です、そういうの!」


にっこりと、純粋な目で私み見つめる秋田。

ポン、と肩に手を置かれる。
振り向くと、笑顔で私を見る薬研がいた。

辺りを見渡すと、厚、清光、鶴丸さんがにっこりと笑っていた。

安心してしまい、涙が出る。

私は再び目線を秋田に戻し、涙で滲んだ視界でこう言った。


『…ありがとう。』

40.良かった?+謝罪あり→←38.私は戦う



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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時

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