30.お ま た せ ページ33
そもそも、こんな化け物がこの神様達に優しくされる訳ないんだ。
ここにいる事さえ奇跡だと言うのに、何故私はそれ以上の
私、私は__
『っあ、あ、あぁ……』
その時、首もとから密かに気持ち悪い感触がした。
……
そうだ、これは精神が情緒不安定の時によく出やすくなってるんだ。
だめ、ここで出ないで。
この神様を、傷付けたくない。
やっと出来た居場所を、壊したくない。
私、私は__
?「落ち着け、A。」
久しぶりに呼ばれた、私の名前。
その時、後ろからふわり、と誰かに抱き締められる感触がした。
黒色の髪、青色の服、落ち着く匂い。
……いつかの、旅人さん、確か名前は。
『三日月……宗近、さん。』
三日月「そうだ、A。すまない、遅くなってしまった。」
上を向いて、三日月さんを確認する。
そこには、私が人間の時に出会った、旅人さんだった。
ふわりと笑う美しい顔、瞳の中に太陽もないのに輝き続ける三日月、私の頬に触れる白い手…
あぁ、この神様は。
_三日月「俺が自由になった時、必ず助けてやる。困ったら、呼んでくれ。
…すぐに、駆けつける。
……愛し子の為、に。」_
かつて、私と約束を契った付喪神様。
その後、私は眠る様に、ゆっくり瞼を閉じた。
***
三日月宗近side
あなや…やはり、寝てしまったか。
まぁ良い、これで俺の事も思い出しただろう。あの約束も。
正面を向くと、それぞれの分霊が唖然として、こちらを向いている。
三日月「…すまんが、加州。布団を敷いてくれないか。A…乱を寝かせたい。」
清光「わ、分かった。」
取り合えず隣に立っていた加州にそう言う。
生憎、俺は爺でなぁ。
このままAに触れていたいが、どうもそうはいかん。
敷き終わった布団にAを乗せ、敷き布団を被せる。
そして、決心したのか、和泉守がこう聞いてきた。
和泉守「どうして三日月の爺さんが…この本丸には、まだ来てない筈…」
そう。
ここの本丸に、まだ俺の分霊は来ていない。
まぁ、分霊にAが取られない様に、俺がちと仕込んだだけだが…
紛らわしくしない為だ。
三日月「俺は分霊ではない。間違いなく、本霊の三日月宗近だ。」
さぁ、少し話をしようか。
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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時