検索窓
今日:22 hit、昨日:4 hit、合計:301,286 hit

30.お ま た せ ページ33

そもそも、こんな化け物がこの神様達に優しくされる訳ないんだ。

ここにいる事さえ奇跡だと言うのに、何故私はそれ以上の幸せ(普通)を望んだ?

私、私は__


『っあ、あ、あぁ……』


その時、首もとから密かに気持ち悪い感触がした。

……化け物の証(触手)だ。

そうだ、これは精神が情緒不安定の時によく出やすくなってるんだ。

だめ、ここで出ないで。
この神様を、傷付けたくない。

やっと出来た居場所を、壊したくない。

私、私は__


?「落ち着け、A。」


久しぶりに呼ばれた、私の名前。

その時、後ろからふわり、と誰かに抱き締められる感触がした。

黒色の髪、青色の服、落ち着く匂い。

……いつかの、旅人さん、確か名前は。


『三日月……宗近、さん。』

三日月「そうだ、A。すまない、遅くなってしまった。」


上を向いて、三日月さんを確認する。

そこには、私が人間の時に出会った、旅人さんだった。

ふわりと笑う美しい顔、瞳の中に太陽もないのに輝き続ける三日月、私の頬に触れる白い手…

あぁ、この神様は。


_三日月「俺が自由になった時、必ず助けてやる。困ったら、呼んでくれ。
…すぐに、駆けつける。

……愛し子の為、に。」_


かつて、私と約束を契った付喪神様。

その後、私は眠る様に、ゆっくり瞼を閉じた。


***

三日月宗近side

あなや…やはり、寝てしまったか。

まぁ良い、これで俺の事も思い出しただろう。あの約束も。

正面を向くと、それぞれの分霊が唖然として、こちらを向いている。


三日月「…すまんが、加州。布団を敷いてくれないか。A…乱を寝かせたい。」

清光「わ、分かった。」


取り合えず隣に立っていた加州にそう言う。

生憎、俺は爺でなぁ。
このままAに触れていたいが、どうもそうはいかん。

敷き終わった布団にAを乗せ、敷き布団を被せる。

そして、決心したのか、和泉守がこう聞いてきた。


和泉守「どうして三日月の爺さんが…この本丸には、まだ来てない筈…」


そう。

ここの本丸に、まだ俺の分霊は来ていない。

まぁ、分霊にAが取られない様に、俺がちと仕込んだだけだが…

紛らわしくしない為だ。


三日月「俺は分霊ではない。間違いなく、本霊の三日月宗近だ。」


さぁ、少し話をしようか。

31.前世→←29.自慢大会…?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (98 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
349人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。