22.腹をくくれ ページ25
Aside
大広間に短刀達と、自然に入る。
また視線が集まるが、気にしないでおく。
実は一人で行った方が良いんじゃないか、と言う意見もあったが、まだ馴染んでないのにそれは無理だろう、と一緒に行く事になった。
本当、助かった。
薬研「ほら、そこにいち兄いるぞ。」
耳元でボソッと呟いてくる薬研。
薬研の視線を辿ると、料理を運んでいるいち兄がいた。しかも一人。
行け、と言う事だろう。
短刀達も気付いたのか、頑張れ、と囁いてくる。
うぐぐ…腹をくくるしかない!
先に入った清光だって、こっちを見つめてくるし!
そう思いながら、一人でいち兄の元へ行き、くいっ、と服を引っ張る。
いち兄は私を見たと同時に驚いた。
しかしすぐに優しい笑顔になって、私の身長に合う様に、かがんでくれる。
短刀の期待の目が身体に刺さる。
一期「どうしたんだい、乱?」
『……あ、のね…いち兄、その…』
一度息を吸う。
そして、いち兄と目を合わせて、こう言う。
『隣で…食べても、いい?』
言った、言ったぞ私は。
しばらく返事がなくて、いち兄と見つめあったままになる。
すると、いち兄はまた頬笑み、こう言った。
一期「いいよ、もちろん。乱、頑張ったね。」
『あ……』
どうやら彼には私の″怖い″と言う感情を感じ取ったらしく、なだめる様に言ってくる。
その後、私の頭を優しく撫でてくれる。
…撫でてくれるのは、初めてだ。
ポロポロと、また涙が溢れてくる。
一期「み、乱?!どうしたんだ、まさか嫌だった?!」
『違う!!…撫でられた事が、無かったから、嬉しいの。』
こうやって、褒めてもらえる事もなかったから、涙が枯れるのを止める。
どんどん流れていく涙。
大声を出したからか、見詰めてくる目線。
どうしたらいいか分からず、ただいち兄を見つめる。
一期「…そうか、よく頑張ったね。これからは、もっと褒めてあげるからね。」
そう言って、首をかしげ、また撫でるいち兄。
いつ来たのか、隣の今剣がハンカチで私の涙を拭う。
幸せすぎて、どうにかなりそうだった。
***
三日月「…そうか、幸せか。」
乱「そう。幸せすぎて、狂っちゃうくらいだって。…可愛いよね。」
三日月「そうだな。…俺も、撫でれたらなぁ。」
乱「だから嫉妬は醜いよ。」
三日月「嫉妬ではない、憧れだ!一期、変わってくれぇ!」
乱「だからそれが嫉妬なんだよ!てか(本霊の)いち兄来ちゃったよ!」
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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時