16.出会い‐過去編‐ ページ18
三日月宗近side
これは、俺がまだ政府に手を貸していなかった時の事。
とある主が、俺を連れて村に訪れた。
当時の主は、俺を顕現出来たので、俺も人型になっていた。
その主が、適当に観光でもしてこい、と言われたので、散歩をしていたのだ。
***
三日月「ふむ……迷った!」
散歩をしたはいいものの、俺は爺でなぁ、迷ってしまったのだ。
森の中だった。
まあ適当に歩いていれば出口につくだろう、と思い、歩き続けた。
ふと、視界に小屋が写った。
その小屋は、お世辞に綺麗とは言えず、倉庫や使わなくなった建物だと思った。
俺は何故かその小屋に導かれる様に、その小屋の扉を開けた。
すると、一人の人の子が血を流して倒れていた。
三日月「……あなや…如何して、ここに…」
酷すぎて、もう死んでしまうのではないか、と思うくらい、酷い怪我だった。
俺はしゃがんで、人の子の様子を見る。
そして、それが合図だ、と言う様に、人の子は目を覚ました。
『……あなたは、だれ?』
三日月「………俺は、三日月宗近だ。人の子よ、如何してここにいる。とても人が住めるところではあるまい。」
うっすらと半分だけ瞼を開けて言う、人の子。
先程まで虫の息当然だったが、それを破るかの様に、喋った。
『……私は…住んでいい奴じゃない。』
三日月「…ほう?」
意味は分からなかった。
ただ、光を移さないその瞳を見たら、どうも気になって仕方がなかった。
『…私は、化け物だから。元々、この地に住んではいけない奴だから。』
三日月「それは…どうしてだ?」
人は自分勝手だと思い込んでいたが、こいつはどうも違った。
自分を蔑み、卑屈になっていた。
だから、どうも気になってしまった。
『紛い物…が、あるから。人と違う所があるから。』
三日月「………なんと…それだけか?」
『…うん。』
まるで当たり前、と言う様に話す人の子。
馬鹿な…少し変わった所があるだけで、ここに閉じ込められているのか?
怒りがどんどん芽生えてくる。
…そうだ、せめて怪我だけでも治さねば。
と言っても、俺は人間ではないし、怪我は手入れをすればすぐ治るから、正直分からなかった。
だが、とある奴が、布を使って血を押さえてる所を思いだし、真似をしてみる。
しかし、清潔な布はどこにもなかった。
三日月「…仕方あるまい。人の子よ、少し我慢してくれ。」
そう言って、自分の服を破った。
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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時