【刀剣乱舞】こんな私で、良いのかな。【乱藤四郎】

0．ぜろ。 ページ1

『っ……あー、まだなれないな。』


血塗れた腕を痛そうに掴む一人の少女。

暗い、倉庫の様な部屋で、自室の様に、そこに座っていた。

どうやら、腕の傷を止血しようとしている様だが……

生憎、清潔な包帯や布は一切ない。
それに、素手で押さえ付けてもただ痛むだけだ。

そんな中、一人の男性が、その部屋の扉を開けた。


「……おい、時間だ。」

『………』


少女は無言で押さえ付けていた腕を静かに離し、とっくの前に行った男性についていく。

彼らに会話はない。
否、彼らに会話は必要ないからだ。


「そんじゃ、今回も宜しくなぁ。化け物、サン？」

「ちょ、お前宜しくなんて…丁寧すぎだろ！！」

「″さん″何て付けなくてもいいっての！！」


ぎゃはははは、と気味の悪い声で笑い猛る男性達。
一方少女は、まるでそれが日常、と言う様に、涙も流さずに、うつ向いている。


「そんじゃ、始めますかぁ…」


一人の男性が声をあげると共に、他の奴らも一斉に少女に向かって走る。

殴る。
蹴る。
水をかける。
刺される。

＿＿嗤う。


それが、少女の最期だった。

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