匂わせ

匂わせ31 ページ33

名字 side

ここで廉くんを突き飛ばさなきゃダメなのに
久しぶりに廉くんに抱きしめられて嬉しくて
涙が出そうになってるじぶんがいる。







わたしは廉くんの背中に腕を回してしまった。







名字
｢ずっと好きだった、ずっと愛してた｣







気持ちが伝わる伝わらないなんて
そんなことどうでもいい。



ただ今伝えないと次はないような気がした。







ねぇ廉くん。
どうして浮気なんかしたの？



年下の私なんてただのお遊びだった？



今抱きしめてるのも、もしかして遊び？



私の反応を見て楽しんでる？



そんなことが頭をぐるぐると回っていたそのとき







永瀬
｢まだ好きやって言ったら困る？｣







廉くんは今にも消えるんじゃないかってぐらい
震えた小さな声で私に問いかけてきた。







困らないって言ったら嘘になる。



それは涼と付き合ってるからではなく



私を裏切った君を
もう一度好きになってしまいそうだったから。







でもわたしは







名字
｢困らないよ。大好き、廉くん好きだよ｣







そう言い廉くんの唇にキスを落とした。

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