まじのまじで好きです ページ10
side やまだ
ガチャと乱暴にドアを開けられた音がしてそっちに目をやる。
…まぁ、来るだろうとは思っていたけど。
「やぁぁ〜まぁ〜だぁ〜〜っ!!」
早歩きでこっちに向かって来る伊野尾ちゃんの背後に般若の面が見えた。
低い声で俺の名前を呼んで、握りしめた拳がふるふると震えている。
…あれは相当怒ってんな。
「おはよ、伊野尾ちゃん」
「おはよ、じゃねぇよ!!お前なんで付き合ってる事メンバーに言ってんだよ!!」
俺の胸ぐらをつかんでぐわんぐわん上下に動かしてくる。
貧弱な伊野尾ちゃんだから振りほどくことは簡単だけど、とりあえず彼の怒りを発散させてあげようとされるがままでいた。
「ふざけんなよぉ〜どうしてくれんだよ〜!なんとか言えよ!」
「…まずは外堀から固めていこうと思って」
「………」
満面の笑みでの俺の返答に、呆れたようにため息をついた伊野尾ちゃん。
俺のシャツをつかんでいた手をぱっと離した、怒りはとりあえず収まったようだ。
「お前、まじのまじで俺の事好きなんだな…」
「うん!ずっと言ってるじゃん」
あー、怒るのもバカバカしくなってきた…と伊野尾ちゃんは椅子に腰掛けた。
…少し目が赤い。
多分泣いてたんだろうな。
「…なんかあった?」
「ありまくった、昨日からずっと」
しばらく沈黙が続いて、なんて声を掛けようか考えていると、先に口を開いたのは彼の方だった。
「…さっき、大ちゃんに言われたんだよ。山田と付き合ってるんだって?おめでとうって、すっごい笑顔で。」
膝を抱え込み、顔をそこに埋めた伊野尾ちゃん。
表情は見えなくなった。
「正直…結構ショックで。分かってたつもりだったけど、もしかしたらってどこかで期待してたのかもしんない。俺…ばかだなぁ」
鼻声で、ぽつりぽつりと話してくれた。
肩がふるふると震えている。
彼がこんなふうに、弱いところを見せてくれるのは初めてで、俺は素直に嬉しく思ったんだ。
…そうだよ、そうやって吐き出してしまえば少しは楽になるでしょ?
頼っていいんだよ、俺のこともメンバーの事も、もっと。
伊野尾ちゃんの背中をぽんぽんっと叩いた。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時