一生のトラウマ案件 ページ9
side いのお
山田涼介と付き合う事になりました。
…こんなパワーワード聞いた事ないだろ??
朝から何回目か分からないため息をつくと、気温の低さでそれは白い息に変わった。
山田は俺の事が好きらしい。
昨日の俺だけに向けられた爽やかスマイルがよみがえった……いや、なんで俺?
あんなファイナルファンタジーみたいな顔してるやつ、可愛い女の子選び放題じゃん。
そもそも、そこまでして付き合いたいかよ!
弱み握って告白して断れないようにするなんて…やり方がきたない。
悶々と考えているといつの間にか目的地に着いていた、今日はメンバー全員での撮影がある。
…もちろん山田もいる訳で。
憂鬱だ…今日はなるべく関わらないようにしよう、そう決めたのに…
「おはよー…」
「あ!いのちゃんきた!おはよー!」
「聞いたよ〜!山ちゃんと付き合ってるんだって?」
…詰んだ、人生詰んだ。
俺の方を見てにこにこ笑う知念と裕翔。
あまりの状況の散らかり具合に白目を剥きそうになる。
なんであいつ言ってんだよ!
「どっちから告白したの〜?涼介に聞いても2人だけの思い出だからとか、お得意のロマンチックなこと言って教えてくれなかったよー」
おい!2人だけの思い出ってなんだよ!?
俺にとっては一生のトラウマのような出来事だったんだけど!?
「あ、あはは…えっと、俺も今、状況飲み込めてないから後で答えるね?それより山田どこにいる?」
「あ、さっき1人で隣の部屋行ったよ。ちょっと仮眠してくるとか言って」
「……ありがと〜」
貼り付けた笑顔で180度回転して出口の方を向いた。
とりあえず山田をしめる!そう思って隣の部屋へ向かおうとした、その時だった。
「わ!いのちゃん!!おはよー!!」
きらっきらの笑顔を浮かべて挨拶してきた、俺の好きな人。
「…大ちゃん」
「聞いたよ!山田と付き合ってるんだって?」
あぁ、そうだよね。
大ちゃんも知ってるよね。
「おめでとう!ってか早く言ってくれたらいいのに!親友なのに水くさいなぁ〜!」
分かっていた、大ちゃんにとって俺は親友で、おれが山田と付き合ったからって痛くも痒くもないはずで、むしろ嬉しそうにお祝いしてくれてるし。
…分かってた、分かってたんだけどなぁ。
「ごめんごめん!大ちゃんも彼女と仲良くね!」
思ってもない事が口からスラスラと出てくる俺は、こんな状況に慣れすぎてるんだろうな。
…俺ってなんて惨めな生き物なんだ。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時