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春が来た ページ47

side やまだ


隙がなくて、なにを考えているか分からない。

掴みどころがなかった君が、今はしっかりと俺の腕の中におさまっていて、




やっと捕まえたんだ。



可愛い、伊野尾ちゃんを。



俺の肩に顔を埋める伊野尾ちゃんは恐らく照れている。

普段は俺に好きとかあんま言わないから、少々のお酒の力をかりて言ってくれたのだろう。

嬉しくて、顔みたいなぁ、なんて思ったけどやめておいた。


もう少しくっついていたかったから。





しばらくすると遠くの方から「あれー?涼介といのちゃんいなくない?」と知念の声が聞こえてきた。

ゆっくりと体を離して、見つめ合う。


「……そろそろ戻らなきゃね」


そう言うと伊野尾ちゃんはこくんと頷いた。


再び手を引いて来た道を戻ろうと歩き出した時だった。


さっき俺がしたみたいに、伊野尾ちゃんは俺の腕をぐいっと引いて


驚いて振り返ると、その時には唇が触れ合っていた。



「…ずるいのは山田の方だし、俺だってドキドキさせたいのにいつもさせられる方だから…悔しい」

「…え?」

「……ばーか!ほら!帰るぞ!」


耳まで真っ赤にして伊野尾ちゃんは先にズンスンと歩いていってしまった。



ほんっとに…


絶対にずるいのは伊野尾ちゃんの方だってば…。



俺がこんなにドキドキしてる事なんて全く分かってないんだろうなぁ。



「あぁー…もう…」



その場にしゃがみこんで真っ赤になった顔から熱が出ていくのをまっていると、大ちゃんが迎えに来た。


「あー、いたいた、やまだ…って何かあった?」

「別に……」

「そう?そろそろお開きだってさ」


みんなの所に戻ると伊野尾ちゃんは知念と話していた。


「いのちゃんどこ行ってたのー?」

「あっちの方、ここより桜綺麗に咲いてて…」


ふいに、目が合って伊野尾ちゃんは咄嗟に逸らした…けど



おそるおそるもう一度おれの方を見て、

ぎこちない笑顔ではにかんだ。





「…わぁ…今のは可愛いね」


隣にいた大ちゃんも見ていたようで俺の肩をどついてくる。



「春がきた…」

「は?なに言ってんの?」



こんな風に伊野尾ちゃんと桜を見れる日がくるなんて思ってなかった。



ねぇ、伊野尾ちゃん、



これから

夏が来て

秋が来て

冬が来ても


また春がきても



ずーっと一緒にいようね。

約束だよ?







…さて、今日の夕食はなんにしようかな。





END

涙腺崩壊です→←抜け出そうよ



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , やまいの   
作品ジャンル:恋愛
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時

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