抜け出そうよ ページ46
でかい裕翔がガキみたいに一升瓶片手に暴れ回って、大ちゃんはべろんべろんになってブルーシートの上で寝てるし、薮は誰も聞いてない余談を永遠に喋り続けているし…。
おいおい、大丈夫か…このグループ。
俺の隣にいた知念はいつの間にか酔っ払って目を血走らせている光の方に向かっていき、からかって遊んでいた。
あぁ…なんか
平和だなぁ…。
見上げると空は真っ青で、ピンク色の花びらがゆらゆら揺れていて
みんなの笑い声が心地よかった。
「いのーおちゃん」
青い空と、ピンクの花びらの中に聞き慣れた声の主が突然現れた。
見上げていた俺の顔を上から覗き込んで、笑顔で俺の頬をつねる。
「魂抜けそうになってたけど、大丈夫?」
「へへ〜、やまだぁ」
あれ?
俺もちょっと酔ってんのかな、そんな飲んでないけど。
山田の顔を見るとなんだか嬉しくなってつられて顔が緩む。
「ちょっと抜けない?さっきちょっと散歩してきたんだけど、あっちはもっと桜綺麗に咲いてたよ」
山田は俺の腕を掴んで立たせて、光をからかって遊んでいる知念を横目に俺を連れ出した。
撮影場所は人気の少ない場所を選んでいるのと平日だということもあってか、ほとんど人はいなくて。
満開の桜の中に俺と山田だけ。
なんか、世界が2人だけになってしまったような、そんな感じ。
俺の手を引く山田は立ち止まって振り向いて、
「ね?綺麗でしょ?」
そう言って微笑んだ。
「うん…今日が満開日なのかな」
「どうだろ、今日から4月だけど花見客はあんまいなかったよね」
他愛のない話をしながらしばらく歩いて…お酒がほどよ〜く入ってるのもあるからかな、山田のつむじを見ていると無性に触りたくなった。
「わ、びっくりした…」
「山田、髪の毛さらさら〜」
驚いてる山田が可愛くて、きっと綺麗にセットしてもらったはずの頭をずっと撫でているとその手を掴まれた。
「…ずるい、俺も触りたいんだけど」
「ほぁ?」
掴まれた手をぐいっと引かれて、バランスを崩したかと思えばちっちゃいくせにがっちりとした山田に強く抱きしめられていた。
「好きだよ、伊野尾ちゃん」
もう何度も聞いているはずの告白だったけど、雰囲気も相まっていつもよりドキドキする。
「…俺も山田が大好き」
俺の背中に回された手が更にぎゅっと力を強くした。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時