バカになったみたい ページ43
side いのお
体をを優しく揺すられる感覚で目が覚めた。
うっすらと見えるのは寝起きでも綺麗すぎる山田の顔。
「伊野尾ちゃん、おはよ」
にこっと子どものような笑顔を浮かべる、こいつ一応俺の彼氏です。
かっこいいでしょ〜なんて自慢したくなるけど、それは内緒。
アイドルですから。
「やまだぁ」
「ん?何?」
俺の顔を覗き込んで、優しく微笑む山田。
その首元に手を回して思いっきり抱きつくと、よろけて2人でベットに逆戻り。
ふかふかの布団に埋もれていると、耐えきれなくなって笑いが込み上げてきた。
「えへへへ〜!」
「もぉ〜!伊野尾ちゃん!!」
心臓止まるかと思った!と山田はぷんすか怒っている。
ごく普通の朝、でもたまらなく幸せだ。
「いのちゃんってさぁ…」
一緒にラジオの収録をしていた光は目を細めてじーっと俺の方を見てくる。
「な、なに?」
「いや…山田と付き合ってるって未だに信じられないんだけど、普段どんな会話してんの?」
ふと気になって聞いてきた程度の質問だろう。
今までの俺ならテキトーに流してたじゃん、でもね、本当に好きになっちゃうと俺、その辺急に不器用になっちゃうみたいなんだよね。
「ど、どんな会話って…普通だよ」
「普通って例えば?」
「え、えと…おはよう、とか」
それ、恋人じゃなくてもする会話じゃん、とポンコツな光に言われてるんだから世も末だ。
「いのちゃん本当に山田の事好きなんだね」
「…じゃなきゃ付き合わないじゃん」
「んー…そうだけど、最近のいのちゃん見てると特にそう思うんだよね。いのちゃんってそんな表情するんだーって感じること多いもん」
…あれ?
俺ってもしかして結構分かりやすい??
大ちゃんを好きだった時とか必死に自分を隠してたけど
その必要が無くなったから気が緩んでんのかも。
山田とこんな風になってから、自分自身の変化の多さに驚かされた。
「…俺ってバカじゃないって思ってたんだけど、光と違って」
「おーおー、馬鹿にしてんのか?」
「でもさ、山田のせいでバカになっちゃったみたいなんだよね」
しょーもないことで気分が落ちたり、しょーもないことで機嫌よくなったり、やまだの笑顔見てたらぜーんぶどうでも良くなっちゃって。
「あ…」
間抜けな顔で俺の背後に目をやる光につられて振り向いた。
そこには紛れもなく俺をバカにした張本人が立っていた。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時