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事実しか言ってません ページ5

吐いてすっきりしたのか、伊野尾ちゃんは幸せそうな顔で二度寝して再びぽつんと取り残される俺。

嵐が去った後のようだった…。


「と、とりあえず、寝よう…」


伊野尾ちゃんに毛布をかけてあげて、俺はベットに倒れ込み、死ぬように寝た。








騒がしいアラームの音で目が覚める。
…今日はオフなのに無駄に早起きしてしまった、アラーム切っとけばよかったなぁ。

そんな事思いながら起き上がって、リビングへと向かった。


「……あ」


そうだった、伊野尾ちゃんいるんだった。
ソファの上で小さくなって、すぅすぅと寝ている。

俺はソファの下に座りこんで、伊野尾ちゃんの顔を覗き込んだ。
綺麗な顔、でも、だいぶ痩せた。


頭をぽんぽんと撫でてみる、髪ふわふわ。
俺がいくら触っても全く起きなかった。


…お米、あったかな。
炊いてあげよ、有り合わせの物でみそ汁と目玉焼きくらいなら作れると思う。

立ち上がって伊野尾ちゃんの為に朝食を作ることにした。


彼の目が覚めたのはそれから1時間後で、



「………え?」


案の定、何も覚えていないのだろう。
勢いよく起き上がって、辺りを見渡して「は?ここどこ?」と戸惑っているようだった。



「おはよ、伊野尾ちゃん」

「え?やまだ…」



目が合った瞬間、口をあんぐりと開けて間抜けな表情をしている。


「朝ごはんあるよ、食べる?」

「あ、うん。いや、待って、そうじゃなくて…」


珍しく焦っている、そりゃ起きたら全く記憶なくて、オマケに俺の家にいるんだもんな、焦るよね。



「…山田、えっと迷惑かけたみたいでごめん」



伊野尾ちゃんの口から最初に出てきたのは、とりあえず謝罪だった。
…きっと寝起きの脳みそで色々考えてその結論に行き着いたのだろう。


「全然、迷惑なんかじゃないよ」


優しくそう声を掛けると、伊野尾ちゃんはおそるおそる下げていた頭をあげて聞いてきた。


「…あの、俺なんで山田の家に?」

「ん?」

「いや、昨日の記憶あんまなくて…」


…そうだよね、覚えてないよねぇ?
俺は心の中でしめしめと思う。


「あ、そうだよね覚えてないよね…」

「………うん」

「まじかぁー、あはは…」


伊達に色んな映画やドラマに出てないでしょ。
どうよ、この白々しい演技。

案の定伊野尾ちゃんの表情は少しこわばった。


「……もしかして、なんかやらかした?」


俺は昨日の伊野尾ちゃんとの出来事を所々はしょりながら(主に俺の煩悩が見え隠れするあたり)話した。

眩しくて見えません→←虹が見えました



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , やまいの   
作品ジャンル:恋愛
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時

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