ハロー！スプリング ym×in

やましい事はしないので！！ ページ38

やっと伊野尾ちゃんと結ばれました…！


「伊野尾ちゃん！」

「……なに？」

「えっと…その…」



部屋のソファに寝っ転がりごろごろしている伊野尾ちゃんに声を掛ける。
もう２人とも風呂を済ませてあとは寝るだけ…っていう状態なんだけど…。

その、両想いならさ、一緒に寝たいなぁって思って。
変な意味じゃなくてだよ？

ただ、伊野尾ちゃんをぎゅってしながら寝れたらどれだけ幸せかなぁ〜なんて…。

でも、許してくれるかな…。


「なんかあるならいいなよ」

「…いや、やっぱりなんでもない」


しかし、小心者の俺は断られるのが怖くて出かけた言葉を思わず引っ込めてしまった…。
ばか！俺のばかー！！チキンー！！

伊野尾ちゃんは起き上がって首を傾げている。

…だって
やっと俺の事好きになってくれたんだし嫌われたくないし…。

ゆっくり、焦らずに大切にしていきたい、うん、そんな感じ。


「…大丈夫！おやすみ伊野尾ちゃん」

「え、もう寝るの？」


俺の決心とは裏腹に、きょとん、ときっとなんの計算でもなく本当に純粋にこんな事を言うんだ、この人…。


「え？伊野尾ちゃんは眠くない？」

「…眠い…けど、待ってたんだけど」

「え？」

「山田のこと待ってたんだけど…一緒に寝ようかなって思って」


ほんのりとピンクの頬で、ふいっと視線を逸らして
そんな事考えてるの俺だけ？って拗ねたように口を尖らせて…。

ねぇ、ほんとずるいから…。


「一緒に寝る！！！！！」

「うわ、びっくりした…」

「むしろ寝させて下さい！！やましい事はしないので！！」

「分かったから…急に大声出すなよ…」


俺は伊野尾ちゃんの細い腕を掴んで立たせた。


「お、お邪魔します…」


ベットに入った伊野尾ちゃんはもぞもぞ寝やすいポジションを探して、しっくりくると動かなくなった。

俺も隣に入り、今は向かいあってる状態。


「へへ、照れる…」


照れくさそうに伊野尾ちゃんははにかんだ。

バクバク心臓は鳴り止まなくて、でもそれは伊野尾ちゃんも同じみたいだ。
目が合いそうになると、不意に逸らされ小さくまるまろうとする。


ぎゅってしていい？
なんて今までは許可とってたけど….

好き同士なんだからしてもいいかな。

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