距離感バグってる ページ31
強引に…強引に…。
そうは言われても…なにをすれば…。
俺がつくった麻婆豆腐を頬張る伊野尾ちゃんを見ながら考えた。
…もちろん、好きになってくれるまでそういう事はしないって約束したから…きすとか、それ以上の事は出来ないけど、死んでも。嫌われたくないし。
だとすれば、急に抱きしめる、とか??
「…食べないの?」
「へ!?あ、い、いただきます…」
難しい顔をしていつまでも夕食に手をつけない俺にしびれを切らして伊野尾ちゃんが声を掛けてきた。
あぶない、あぶない、ぼーっとしてた…。
自分が作った麻婆豆腐を口に運びながら、もう一度じっと彼の方を見つめる。
あー、かわいい。
辛〜ってひとくち水飲む口元も、じわじわ汗かいてきて手の甲でおでこの汗拭うのも、髪の毛のせいで少し食べずらくて、ふいに耳にかけるその仕草も…見てるだけで…こう、やばい。
「……食べないの?」
「た、食べます!!」
頭から煩悩を追い出して、麻婆豆腐を食べる事に集中した。
夕食を食べ終わって、いつものようにソファにごろんと寝っ転がった伊野尾ちゃんはテレビをつけた。
チャンネルを変えるとちょうど俺が出てるドラマが流れてきてリモコンをテーブルに置く。
「やまだぁ〜、このドラマ続き気になるんだけど。犯人だれ?」
「言いません。まだ放送されてないんだし…」
「けち!」
ぷくっとほっぺを膨らまして怒った仕草をする伊野尾ちゃんは死ぬほど可愛くて、うっかり犯人を教えてあげそうになった。
…てか、近いな。
多分伊野尾ちゃんは気が付いてないけどソファに並んで座っている俺達は肩が触れるか、触れないか…それくらいの距離で。
あの時の半分おふざけの大ちゃんのセリフが蘇る。
…行動を起こすなら…いま??
俺は伊野尾ちゃんのことを盗み見た。
「へ?」
たまたま、伊野尾ちゃんもふいにこっちを向いて、そしたらいつも以上に顔が近くて驚いた。
肌綺麗…唇ぽってりしてて可愛いなぁなんてこんな状況で考えてしまう俺は完全に変態だ。
「……ちっか。やまだめっちゃ肌綺麗だね」
伊野尾ちゃんはいつもと同じようにヘラッと笑って、距離を取ろうと横にずれた。
…けど、反射的に俺は手を掴んでしまって…
強引に、そんなのどうすればいいのかよく分かんなくて
ただ、伊野尾ちゃんのことをじっと見つめた。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時