オブラートに包みなさい ページ29
said やまだ
伊野尾ちゃんにいつもより少し豪華めに朝食を作り、ぼちぼち家を出る準備を始めた。
俺が髪の毛をセットしていると、鏡越しにそろっと伊野尾ちゃんが現れて後ろを振り返る。
「ん?どうかした?」
「……いや、なんもない」
フィッと目を逸らして直ぐにどっかへ行ってしまった伊野尾ちゃんに違和感を感じつつも時間もないので身支度を再開した。
マネージャーに迎えに来てもらい車に乗り込む。
「やまだ、あのさ…」
今度こそ伊野尾ちゃんが俺の目を見て何か言おうとしているから俺も伊野尾ちゃんを見返した。
綺麗な目が一瞬合って、逸らされる。
「……あれ食いたいな、麻婆豆腐。辛めのやつ」
ずこっとコケそうになった、なんだ、夕食の事かよ。
真剣な目に見えたからもっと重要な話かと思った…。
いや、この人にとってはこれがとっても重要な話なんだろうけど。
「…分かったよ、麻婆ね。了解」
「いぇーい!持つべきものは優しいかれし〜」
俺に向かってテキトーにブイサインを向ける伊野尾ちゃんを見て、顔がほころんだ。
「やまだって独占欲強いよなぁ〜」
「はぁ?」
急に大ちゃんがニヤニヤしながら話しかけてくるから何かと思えば…。
そういや、この前伊野尾ちゃんは大ちゃんをまだ好きだと勘違いして、この人の事睨みつけてから連れ出したんだった。
「そ、その節はすみません…」
「いいってことよ!」
まぁ独占欲強い、て思われただけならよかった…。
大ちゃんは俺の前にテーブル越しに座って缶コーヒーをこっちに転がしてきた。
「…なに?」
「え〜??お前も大変だなぁ〜って思って。俺からの些細なエールですよ」
「はぁ…」
なんとなーく、長い付き合いだから分かるけど大ちゃんがこの顔してる時って何か企んでる時だよなぁ…。
俺は貰った缶コーヒーを有難く頂こうと蓋を開けてひとくち飲んだ、てか微糖かよ。
「ちゃんから聞いたけど、ちゅーもしてないんでしょ?よく同じ部屋で毎日過ごせるよなぁ〜」
「ごほっ…げほっ!!は!?伊野尾ちゃん大ちゃんにそんな事言ってんの!?」
大ちゃんの口から出てきた言葉が予想外すぎて、コーヒーで思いっきりむせた。
そんな俺を見て純情だなぁ〜と大ちゃんはにやにやにやにや…。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時