運命の再会です ページ25
山田と10日ぶりに会ったのは仕事場でだった。
「い、い、伊野尾ちゃ〜ん!!」
俺の姿を見つけると少女漫画のヒロインのようなエフェクトを周りにかけて走ってきた山田、そんな光景にメンバー達の野次が飛んでくる。
特に裕翔なんかは恋バナ大好き!て顔で俺たちにカメラを向けてきた。
「久しぶりの再開ですが、伊野尾氏、今どんな気持ちですか?」
「えぇー素直に嬉しいですね、なにせ10日ぶりなんで!」
「山田氏はどうですか」
「伊野尾ちゃん〜!!会いたかったぁぁ!!」
おいおいおい、ボケが散らかりすぎだろここの楽屋、誰か回収しろ。
とは思ったものの、いつもは山田が1人で8人分のボケを拾ってオマケに的確なツッコミまで入れてくれてんだよなぁ。
…今は使えなくなってるけど。
ツッコミたがりの大ちゃんが頑張って声を張り上げて、久しぶりのメンバーとの時間はお腹を抱えるほど面白かった。
「伊野尾ちゃん!今日、外食しない?」
「ほぁ?別にいいけど…」
「この前、伊野尾ちゃんが絶対気に入りそうなお店見つけたの!実はもう予約したんだ」
へへっ、とブイサインをして山田は子どもみたいな笑顔を浮かべた。
…この顔は多分、テレビとかでは見れないやつ。
俺にしか見せてくれない顔、だと思う。
…なにナチュラルにスパデリみてーなこと言ってんだ、俺。
番組収録を済ませ、帰る準備をしていると大ちゃんがニヤニヤしながら近寄ってきた。
「ちゃん!今からデート?」
「…ま、そうだけど」
「いいなぁ〜!俺も行きたいけど彼女今忙しくて…」
大ちゃんと、いつも通りのやり取りをしていると急に後ろに手を引かれて、何歩か後ろに下がった。
俺の手を掴んでいるのはもちろん山田だけど…こんなことする奴他にいないし。
でも、何故に怒ってるの?
大ちゃんの方を軽く見た山田は「行こ…」とそのまま俺の手を引いて楽屋を出た。
ポカン、と立ち尽くす大ちゃんの姿がドアの向こうへと消えていった。
「やまだ?なに?怒ってんの?」
「……」
「おーい?なんだよ?腕痛てぇってば…」
ピタッと動きを停めてやっと振り返った山田。
心配そうに俺の方を見た。
「伊野尾ちゃん、俺の前では強がんなくていいってば」
「………んん??」
意味がわからなくてぽかーんとしていると、山田は言葉を付け足した。
「だから大ちゃん!一緒にいるのつらいでしょ?」
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時