ハロー！スプリング ym×in

大切にするね ページ20

「…用意してくれたんだ」

「うん！開けてみて！」


中には俺が伊野尾ちゃんぽいなって思って買ったマフラーとニット。

少しでも長く使ってもらいたいから普段使いして貰えるものにした。

山田に服を見繕って貰えるなんて〜！と伊野尾ちゃんは笑顔を浮かべてくれた。


「…ありがとう、嬉しいよ」


大事にするね、そう言った顔は世界一可愛かった。
あぁ、なんて幸せな日なんだ。
クリスマスサイコー！！

１人で浮かれ気分でいると伊野尾ちゃんは俺の肩をトントン、と叩いた。


「…あのさ、一応俺もあるよ、プレゼント」

「へ！？」

「大ちゃんに彼女のプレゼント買いに行くのに付き合わされてさぁー、その時買ったんだけど」


ぽんっと渡された小さな紙袋。
袋を開けてみるとコロンっと小さな物が手のひらに転がった。


「ピアス？」

「うん！山田っぽいなぁ〜って思って！」


シルバーのリングになってるピアスは確かに俺がよくつけているようなお気に入りのデザインだ。

伊野尾ちゃんが俺の為に選んでくれたなんて…！


「伊野尾ちゃんありがとう！一生大切にする！死んでも手放さない〜！！」

歓喜あまって泣きそうになった俺に伊野尾ちゃんは大袈裟〜とケラケラ笑っていた。




「…伊野尾ちゃん、今日待っててくれてありがとうね」

「いいよ、俺だって山田とクリスマス一緒に過ごしたかったし」


バッと伊野尾ちゃんの方を見るとさっきと同じようにケラケラ笑っていて、なんだ、無意識にそんな事言っちゃったのね、なんて…。

もしかして俺の事好きになってくれたのか、とか思っちゃった。

でも、こんなふうに伊野尾ちゃんの隣にいるのは俺で、それがこれから当たり前になっていったらいいな。


来年のクリスマスも、再来年のクリスマスもずっと一緒にいたいよ。

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