容赦しないから! ページ11
「つらかったね、伊野尾ちゃん」
「…うっ、ぐすっ」
伊野尾ちゃんは静かに泣き始めた。
俺でよかったら話はいくらでも聞くからさ。
まぁ、俺は伊野尾ちゃんの事が好きだから俺にとってもこの話は精神的ダメージがあるんだけども。
それで笑ってくれるならいいよ。
しばらくして、泣き声が聞こえなくなり、伊野尾ちゃんは膝から顔をあげた、まだ涙目ではあるけど。
俺は伊野尾ちゃんに向かって両手を広げる。
「……は?何?」
「おいで伊野尾ちゃん!」
「行かねぇし、バカかお前」
ぐすん、と鼻をすすりながら怪訝な顔をされた。
…今ならいけると思ったのに。
「ちょっとー、伊野尾ちゃんは俺の彼女なんだからそこは来るところでしょ!」
「…かのじょ?」
眉毛をひそめて更に嫌そうな顔になっている。
「…待って、俺そっち側なの?」
「当たり前じゃん。俺伊野尾ちゃんに抱かれる気一切無いけど」
「………絶対お前好きになんない」
そう言い放った伊野尾ちゃんは立ち上がって、部屋から出ていこうとする。
「あ、待ってよ伊野尾ちゃん!」
「ついてくんな!寝てろ!」
そう暴言吐きながらも、表情は少し和らいでいる気がした。
ちょっとはスッキリしたかな、よかった。
ドアを開けようとする手を掴んで、こっちを向かせた。
驚いた顔をする伊野尾ちゃんのふわふわの髪の毛が揺れる。
「伊野尾ちゃん。俺、仕事中とか関係ないから」
「…は?」
「メンバー全員俺たちが付き合ってること知ってるんだし、俺達がいちゃいちゃしてても別に違和感ないよね?」
頭のいい伊野尾ちゃんは今の状況を察したらしい、お得意のフリーズで現実逃避しようとしている。
逃がさないから、ちゃんと聞いててよ?
「容赦しないから!俺の事好きになる覚悟しといてね!」
頬っぺにちゅっ、と軽くキスをしてやった。
固まった伊野尾ちゃんを置いて部屋を出ると、時間差で「おい!山田ぁ!!」と怒鳴る声が聞こえてくる。
その声を聞いて、俺は満足した。
「へへ、順調順調〜」
あとは伊野尾ちゃんが俺の事を好きになるだけ、仕事場でも自由に口説けるようになった訳だしあとは俺の頑張り次第だな。
637人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時