ハッピーエンドにさよならを03 ページ7
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次の日学校に行ってみて、全クラスを覗いてみた。
そしたら、俺のとなりのクラスに昨日の男がいた。
クラスのど真ん中の席にひっそりと座っている全く存在感のない男。
男のクラスにある座席表を見てみると、そこには“櫻井翔”と書かれていた。
(ふーん…櫻井翔…)
俺には気づいていないみたいだ。
というか、周りを全く気にかけていない。
(ま、どーでもいいけど……)
内心、櫻井翔が気になっている気持ちを隠しながら自分のクラスに戻った。
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体育の授業は2クラス合同で行われる。
そのクラスの中に、櫻井翔はいたみたいだ。
今まで気がつかなかった。
体育とはいってもほぼ自由みたいなもので、サッカーとかキャッチボールとこ各々が好きなことをやっている。
俺は陰に入ってサボっていたら、同じように陰でサボっている櫻井翔を見つけた。
こんなに暑いのに、長袖長ズボンのジャージを着けている。
しゃがみこんで、暑そうだ。
(なんであんなに着込んでるんだ…)
不思議に思ったけど、そのまま視線を逸らしてボーッとしていた。
みんなよくこんな暑い中、体を動かそうと思えるよな。
サッカーも、野球も、バスケも、ぜんぶつまらない。
いつからだろうか、俺が何もかもつまらないと感じるようになったのは。
小さいときに親が離婚して、俺を引き取った母親は早くに死んで、親戚の家をたらい回しにされて、ようやく今は一人暮らし。
よくある話だ。
俺の人生はなんてつまらないんだ。
そうだよ、生きてて楽しかったことなんて一度もない。
このままつまんない人生を生き続けるんだ。
危ない、という声が聞こえて、ヒュッと目の前をボールが通り抜けるのが見えた。
驚いて、ボールが飛んできた方を見ると、ふたりの生徒が俺に向かって謝っている。
ああ、いっそのこと頭にあたって死ねたらよかったのに。
2人には何ともないと伝えて、ふとボール行き先を見る。
そこにいたはずの櫻井翔はいなくなっていた。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
