ハッピーエンドにさよならを01 ページ5
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つまらない。
毎日同じ日々の繰り返し。
いいことも悪いことも何も起こらない。
だから俺は今日も、目の前で殴られている生徒を見つめる。
｢っぐ、はっ…やめて…やめてください｣
｢はは、やめるわけないじゃん、こんなに楽しいのに｣
学校から少し離れたところにある倉庫。
ひと通りの少ない、いじめにはうってつけの場所。
そこに同じ学校の、気の弱そうな生徒を連れ込んで殴っているだけのこと。
泣きながら嫌がる相手を見て楽しそうに笑うやつら。
その光景を見てたって、ちっとも面白くもないし笑えないけど、退屈な日々のほんの少しのスパイス。
｢おい、松本もやれよ。けっこうスッキリするぞ｣
｢…別にいい。手汚したくないし｣
声をかけてきたのは同じ学校で、なんとなくつるんでいる不良かぶれのやつら。
だいたい4人くらいいるだろうか。
仲がいいわけじゃないし、友達でもないけど、俺はこの4人が誰かを殴るのをいつも高いところから見ているだけ。
人を殴りたいなんて思わない。
だけど、人が殴られているのを見てもなんとも思わない。
｢おい、ちょっ、待てよ！｣
ひとりのやつが俺に話しかけている隙に、殴られていた生徒は走り出して逃げてしまった。
あーあ、まだ全員が殴れていないのに。
相手に逃げられてまだ殴り足りない4人は、また新たなターゲットを探しに行った。
｢つまんねえな…｣
倉庫に置いてある古びたソファに横になる。
何にもないこの生活を、この先ずっと続けていくのか。
そう思うと、うんざりしてますます刺激がほしくなる。
あいつら早く新しい相手連れてこねえかな。
人が殴られてるのを見るのはなんとも思わないけど、まあ何もないよりは。
｢こいつ大人しいな｣
ぞろぞろと足音が聞こえて、顔だけ倉庫の入口に向ける。
4人に囲まれて連れてこられたのは大人しそうな男。
俺らと同じ学校の制服だ。
いつもは引きずられるようにターゲットは連れてこられるのに、今回の男は大人しくついてきている。
めずらしい。
これから何をされるかなんて分かっているはずなのに。
｢さー、始めますか｣
ファイティングポーズをとる相手に、なんの反応も示さずに立ち尽くしている男。
抵抗をあきらめているのか、怖くて固まっているのか。
いつもはそんなに鑑賞しないショーも、今回はちょっと気になる。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
