だって好きだから02 ページ34
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｢え？ストーカー？｣
｢たぶんストーカーっぽいことされてて…｣
｢なにそれ、超こわいじゃん。だから最近元気なかったの？｣
｢だって怖いだろ、家に帰ったらストーカーがいるかもしれないなんて…｣
さすがに気持ち悪すぎるから、郵便受けにティッシュが入っていたことは伏せた。
そこまで話すと、本当に家に帰りたくなくなる。
怖すぎる、見知らぬ人から性的な目で見られているなんて。
俺の青ざめた顔を見て、心配そうにする松本。
｢翔くん、今日は俺の家に泊まったら？｣
｢え？｣
｢だって怖いでしょ？ひとりでストーカーがいるかもしれない部屋に帰るなんて｣
｢いいの…？｣
もちろん、と笑った松本。
そんな松本が俺には神様に見えた。
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｢すげえキレイな部屋…｣
学校が終わって、松本が教室まで迎えに来てくれてそのまま一緒に帰った。
松本の部屋は俺のボロアパートとはおおちがいで、セキュリティもしっかりしている。
散らかってもないし、隅から隅まできれいだ。
どうぞと案内されて、ソファに腰掛ける。
「俺の家とおおちがい...」
「翔くんもせめてエントランスがあるマンションにしなよ。誰にでも部屋入られちゃうよ」
「だってお金もったいないし...不便はないし」
親からも仕送りもらってるし、お金に困っているわけでもないけれど。
お金は遊びとか食事に使いたいし。
それにまさかこんな恐怖がやってくるとも思わなかったし。
「ストーカーされるなんて思いもしなかったし」
「男が男のストーカーになることもめずらしくないんだよ。翔くんみたいにかわいい顔はとくに｣
｢…そんなこと考えたことないもん｣
女性ならまだしも、ストーカーの相手が男って…。
男が男にストーカーされてるなんて、警察にも行きづらいし、行ったところで姿かたちも見たことないわけだからなんの対策もしようがない。
何者か分からない人からの愛がこんなにも怖いなんて。
｢とりあえずなんか食べよっか。俺テキトーに作るから｣
｢ありがとう…｣
今はとにかく恐怖心を忘れて、松本の厚意に甘えようと思った。
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血濡れ蛍 - ぽっぷ様、お久しぶりです。ぽっぷ様の作品の、ストーリー性や、表現の仕方に感動しながら読みました。特に、『ハッピーエンドにさようならを』を読んで、思わず涙が出てしまいました。今後も期待しています♪ (2021年4月2日 13時) (
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作者名：ぽっぷ
| 作成日時：2021年1月11日 0時
