黙って俺に愛されてなよ。【我妻善逸】

廿捌 ページ29

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それにしてもAちゃん何で怒ってるんだろ




遊女の子から釈を受けてそれを飲み干す



最近は触れたりすることも控えてるし
嫌われるような事はした覚えがないんだけどなぁ

つんけんしているところも愛らしいが何だか引っかかるような気もする






「悩ましそうですね」

「んーそうだね、相手の子の気持ちが分かんなくて」

「あらあら、本命のお方のことでお悩みに？
どうぞ女の事なら遊女の私に相談して下さい。」







女の子の事はやはり女の子に聞いた方がいいのだろう

俺は話せる範囲での事を相談した







「それはきっと善逸様に恋をなさっているのですよ」

「へ？」






思わず持ったいた酒器を落としてしまう






「あ、..ごめん」

「割れてないですし、お気になさらず」





拾い上げて元の場所へ置く
そしてもう一度遊女の子は言った






「恋です、恋。それに多分それは嫉妬心でしょう」

「女と言うものは急に引かれると寂しくなるんですよ」





引くと言うよりも嫌われないために触れる事を控えただけだと言うのに

それに恋って言った？



本当かと疑いたくなるようなら話で俺は無意識のうちに疑うような表情をしていたようだ






「まぁ、その顔は信じていませんね？」

「...分かる？」

「ふふ、証明してみせましょうか？」

「え、どうやって」






口紅を塗り自分の手拭に唇を押し当てると

それを俺に渡した





「これを彼女に見せてみて下さい。
寂しく人肌に飢え、善逸様に愛して欲しいであろう彼女はきっと行動に現すはずです。」






こんな事で彼女は行動に出てくれるだろうか



けれどやってみる価値はありそうだ





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