アイノユウヒ2〜family Love〜

慧side ページ42

あの日から約１ヶ月がたった

冬休みに入って、年を越してお正月を迎えてから1週間

明日から2年生最後の三学期が始まる


結局、涼介やみんなのおかげで治療を拒否することはもう止めて、生きるという楽しい毎日を送っていたが、

冬休みに入る前は学校に行けず、家で勉強する日々を過ごしていた


光「大ちゃん明日の準備おわった？涼介部活また始まるからユニホーム入れて！」


光や宏太も俺に学校に行けとは無理に言わないでくれる

それに甘えてしまっていたけど、生きると決めたのなら進学のためにも学校に行かなきゃ行けないことは分かっている


…けど、あと少しの勇気が出ない


しかも休んでしまった分、みんなに何か言われてるんじゃないだろうかっていう気持ちが強くなる

大ちゃんからたまに聞く話だと、クラスのみんながそんなこと言ってないのは伝わるけど…



ピンポーン

光「はーい、あ、今行きます！ 宏太！」


誰かが来たらしく、光がインターホンに出れば宏太を呼んだ


涼「誰？珍しいねうちにピンポン鳴るの」

大「俺見てこよーかな〜」



好奇心旺盛な大ちゃんはすぐに宏太の後を付けていく

人見知りな涼介は「家上がってきたらどうしよ」とか言って髪の毛をセットしに行った

ただの宅配かもしれないじゃん、そう思いつつも涼介と一緒に洗面所へ向かう

ついでに顔を洗おうと思って



光「けーい！あれどこいった？おーい！慧！」


玄関から光の呼ぶ声が聞こえてくる

え、何


涼「なんか呼ばれてるけど」

慧「…行ってくる」


急いでタオルで顔を拭いてそのまま光の呼ぶ方へと向かう


大「涼介も来いよ！」


なんか大ちゃんが騒いでる、嫌な予感しかしない…
恐る恐る玄関に近づけば…


雄「…あ、慧」

慧「…っ！」


咄嗟に光に掴まる

なんで雄也がいるの…？
学校に行かない俺を怒りにきた？


宏「んな隠れんなって…お前が心配で来てくれたんだよ」

侑「僕も来ちゃった！慧ちゃん会いたかったよ〜！」


光に背中を押され顔を上げれば、雄也の後ろからはひょっこりと侑李が顔を出した

久々に侑李に会えて嬉しい気持ちはあるものの、
担任である雄也には学校を休んでいて申し訳ない気持ちと、不安な気持ちが芽生える


光「とりあえず上がんなよ！高木先生！笑」

雄「おい笑うなよ！」

涼「え侑李じゃん！」

侑「やっほ涼介」


こんな沈んでるのは俺だけで、みんなは楽しそう

そりゃそうだ、俺だって今までだったら楽しくて仕方なかったのに…

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