アイノユウヒ2〜family Love〜

涼介side ページ40

慧「毎日4回、知ってる痛みを受けなきゃいけないのが怖い、辛いっ…」

涼「そっか…慧、いつも頑張ってたんだね…俺の前じゃいつも慧はお兄ちゃんぶるから気づけなかったや…ごめんね…」



俺ができること、それはあの日の出来事があったから

宏にぃは仕事でいなくて、ひかは珍しく会社に行っていて、大ちゃんは補習で居なくて、俺と慧ちゃんの2人きりだった時

俺が初めて注射した時のこと覚えてる？

あの時慧ちゃん痛くないって言ったんだ
ほんとかどうかは分からないけど、何回も練習したから、気休め程度にしかならないけどもし俺の注射が痛みを軽減させるなら俺は慧のために打ってあげるよ



涼「ねぇ慧…俺に注射打たせて？…俺を信じて」


ちょっとずるいけど、これで慧はＮＯとは言わない

唯一の弟の俺の事を大切に思ってくれてる慧は、俺が信じてって言ったら絶対に聞いてくれる


涼「もし痛かったり、辛かったら、注射をやめていい。…だから俺を信じて」

宏「ちょっ！」

光「涼介…」


宏にぃやひかが止めるけど、俺は本気だよ

自信がある

俺にも何か出来ないかって沢山考えた

一型糖尿病のことを調べて、勉強して

慧のために調べてたことは、いつしか自分のためになっていたのかもしれない


…俺ね、夢見つけたんだ

将来の夢


馬鹿な俺には無理かもしれないって思ってたけど、今決心したよ




俺、医者になりたい

慧や、慧みたいに苦しんでる人を助けたい


俺も頑張るから、慧ももう少しだけ一緒に頑張ろうよ




慧「…わかった」


俺の真剣な思いにちゃんと答えてくれた慧

静かに座り直して俺に腕を出してくれる

急いで冷蔵庫から注射器を持ってきて、勉強した通りに用意する

その間みんなはずっと黙って俺を見る
みんな不安な中、俺は慧の腕を取って、注射を刺す用意をしつつ話をする

痛くさせない、怖い思いをさせない


涼「慧ちゃん、ありがとう。俺ね、なりたいもの見つかったんだ」

慧「…へっ？」

涼「はいおしまい！どう？痛くなかったでしょ？」


話をしながら注射をした
打ち終え、針を片付けながら慧の顔を見れば、困惑している


慧「…え？」

宏「手際がいい」

光「涼介、お前才能あんのか？」

大「え！？いつの間に！？っていうかなりたいものって！？」



慧ちゃんだけじゃなくて、皆も困惑してるみたい笑

慧、約束だよ？
もう頑張りたくないなんて言わないで？

一緒に頑張ろう？



涼「ひみつー！」

大「教えろよ！」

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