慧side ページ38
はい、分かりましたって素直に言えないのは、俺の心が弱いからで…
今まで頑張ってきたのに、ある日突然他人にバレてしまって不安になった
俺はみんなと違うんだって思ったら、注射をしてる意味まで分からなくなっちゃった
怖い、痛い、嫌だ
今まで溜めていたその思いが、1度ここまで出てしまったらもう引き返せない
涼「……注射やめたら、慧はどうなっちゃうの…?」
小さな声で、涼介が言った
誰もそれに答えない、それを言ったら余計俺が怖くなるから?俺のために答えないの?
慧「……死ぬよ。…インスリンは生きるために必要なの。みんなはもともと自動的に作れる身体だけど、俺は作れないの…だから注射してんの……この注射をやめたら合併症や脱水を起こして、意識が無くなったり昏睡に陥ったり、、そして死ぬんだ…」
自分で言っておいて、余計に身体が震える…
みんなが反応してこないことにも、聞いておいた涼介が返事をしてこないのもイライラしてくる
涼介は何も悪くないのに
慧「…なんで俺だけ?…みんなはいいよね、普通の身体だもん、注射なんかしなくても生きていける……俺はこの痛くて怖い思いをしながらじゃなきゃ生きていけないんだっ……そんなの、みんなが分かるわけないっ!」
言ってから後悔する
こんな思いで居た俺に、治療費をかけてくれていた宏太と光に申し訳ない
ずっとそばに居てくれた大ちゃんにも、心配をかけてしまってる涼介にも、申し訳ない気持ちでいっぱいだった
本当にこの場に居ることが辛くなって、立ち上がろうとしたその時
涼「…っ行かないで!」
立ち上がった俺を抱きしめたのは、お兄ちゃんの宏太や光でもなく、双子の大ちゃんでもなく、
…弟の涼介だった
涼「ねぇ、慧はなんでいつも俺を頼ってくれないの?俺が弟だから?俺が年下だから?」
逃げようと手を振りほどこうとしてもビクともしない
身長は伸びなかったものの、いつの間にか俺より強くなっていた涼介
涼「…慧は何が怖いの?注射が痛いのがやだ?」
抱きしめられたまま問われる
弟に心配されるのが嫌で、早く離れたくて答えた
慧「毎日4回、知ってる痛みを受けなきゃいけないのが怖い、辛いっ…」
涼「そっか…慧、いつも頑張ってたんだね…俺の前じゃいつも慧はお兄ちゃんぶるから気づけなかったや…ごめんね…」
抱きしめられる力が強くなる
お願い、もう離して?
じゃなきゃ俺、お前の腕の中で泣いちゃいそうなんだ
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めおん♪(プロフ) - マさん» コメントありがとうございます!感想頂けてとても嬉しいです!是非他の作品も見てみてください! (2020年7月10日 8時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
マ(プロフ) - はじめまして。気になって読んでみたら、とても感動してしまって、今でも涙がとまりません。すごく感動するお話ありがとうございました。まだ、気になる作品たくさんあるので少しずつ読んでいこうと思います!! (2020年7月10日 1時) (レス) id: 95edc8c60d (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - ぽむさん» ありがとうございます!!歌詞に気づいて下さってとても嬉しいです!ご拝読頂きありがとうございました! (2020年6月6日 9時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ - 完結おめでとうございます!!更新頻度が高くてお話も面白くていつも楽しみにしていました!エピローグで歌詞が出てきた時、鳥肌がたちました笑 楽しい小説をありがとうございました! (2020年6月6日 7時) (レス) id: 5b2251d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - musicmans5962さん» わぁ〜!嬉しいコメントありがとうございます!次回作も頑張ります! (2020年6月3日 23時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めおん♪ | 作成日時:2020年5月18日 10時