アイノユウヒ2〜family Love〜

光side ページ35

宏太と話していたそのまま朝を迎えた

眠くないかと言われれば眠いし、ベッドに入ったら今すぐにでも寝れると思う

いや、嘘
慧が心配でやっぱり寝れないや…


5時半になっていつも通りお弁当を作り始める
今日は慧は学校には行かないから2人分だけ


光「今のうちに測って見てくれる？」

宏「おう」


起きませんように〜と言いながら慧の手をとって血糖値を測定する宏太

その間に料理はほぼ完成してるので、それぞれのお弁当箱につめる


宏「…あちゃ、高いわ……あ、ごめん起こしちゃった？」

慧「……っ！！…っや…やめてっ…」

宏「ごめんな…慧、注射打てそうか？」

慧「やだっ！…やだ、やめてっ」



慧、起きちゃったのか…
落ち着かせる宏太と、嫌だという慧の声が聞こえる


涼「どうしたの…」

大「…慧」


慧の声に寝ていた2人も起きてしまったようで慧は黙り込んだ


宏「…泣かないで、ごめんな、俺が悪かった」


ついには泣いてしまった慧
昨日から情緒が不安定で涙が止まらなくなってる

大ちゃんと涼介も心配そうに慧のそばに居る


光「大ちゃん、涼介学校！早く支度して！」


俺がそう言うと、何故か慧がビクッとした

そして…


慧「っやだ！…学校行きたくないっ…やだ…ｸﾞｽｯ」

宏「うん、慧は行かなくていいよ。今日は宏太と一緒にいようね」


自分に言われてると思った慧は、もう軽くパニックを起こしてるように見えた

…そこまで慧を追い込んでしまったんだ

気づけなくてごめん、もっと早く慧の心に寄り添うべきだった


大「…慧、慧の分まで俺が学校行ってくるね、大丈夫だからね。すぐ帰ってくるからね」


慧の扱いに慣れてる宏太と大ちゃんは声を掛ける
すると慧も落ち着いてきたようで涙を拭う



ただ、この状況に1番ついていけてないのが涼介




涼「…っ…ｸﾞｽｯ…ぅ…」



慧の元から離れて俺のところにくる



光「大丈夫大丈夫。慧は強いから、そのうち今まで通りになるからね。」


涼介の前ではお兄ちゃんぶる慧が、あんなになっちゃったんだ

不安なはずがない



それからどうにか涼介を学校へと見送って、
やっぱり家に居たいという大ちゃんも、慧を病院に連れていくからという理由でどうにか学校へと送り出した


光「けーい、ご飯食べよう……慧…？」

慧「……」

光「…慧！慧！」


どんなに呼びかけても動こうとしない慧

様子がおかしいと思って近寄れば意識はあるもののボーッとしていて、聞こえてるのか分からない

光side→←宏太side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す