アイノユウヒ2〜family Love〜

宏太side ページ33

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宏「お先に失礼します！」


いつもより少し早めに会社を出る

早足で駐車場へ向かい、安全運転を心がけながらなるべく急いで家に帰る


15時頃、光から連絡が入ってた

『慧が低血糖とクラスで何かあったらしくて早退して帰ってきた。今は家で寝てて特に変わりはないけど、もしかしたら何かあったのかも。あと応急処置を断ったって』



本当はその連絡がきてすぐにでも家に帰りたかった

仕事上、俺だけの都合で急に早退が難しかったので、自分の仕事を急いで終わらせて、いつもより1時間くらい早めに帰られせてもらうことができた





ガチャ

宏「ただいまー」

光涼「おかえり」


光と涼介からはいつも通りのおかえりを貰ったが、双子からは聞こえてこない




ポンッ

宏「ただいま、慧」



双子に近づいて、俯いてる慧の頭を撫でる



慧「…ｯｸﾞｽ……っ…ぅ…」

宏「なんで泣くんだよ〜どーした、大丈夫だよ」



滅多に泣かない慧が泣いてる
本当にどうしたんだろうか…

ふと大ちゃんの手元を見れば、まだ使用されてない注射器が見えた

光の連絡にも、応急処置を断ったと書いてあったし、きっと病気と向き合うのが辛くなってしまったんだろう



宏「…大丈夫大丈夫。今日は食事療法にしてみようか」



慧が嫌がることはさせたくない
ただでさえ、今まで文句も言わずに頑張ってきたんだ

慧が抵抗してることを無理矢理はさせないつもりだ

もちろん、命に関わるようなことがあれば、それはさせないといけないけど



宏「体調に変化あるかもしんないけど、物は試しだね。明日俺休みだし、今日は注射やめとこっか」



明日は有給を使って休みにしてもらった
もしかしたら、と思い休みをとって正解だった



宏「ほら、今日は涼介も手伝ってくれたの？美味しそう！慧、大貴！食うぞ！俺腹減ったよ」



2人の手を引いて食卓に向かう
大貴もありがとうな、
さりげなくそう言えば大ちゃんは頷いた


光「慧これ食べてみて。涼介が作ってくれたの」



光から、最近涼介が慧の病気について学んでると聞いた

2人が作ってくれた食卓には食事コントロールしやすいメニューが並んでいた



慧「…おいしいよ」

涼「わぁよかった！」




慧がそう言えば、涼介だけじゃなくてみんなが笑顔になった



無理しなくていい、限界がきたら俺ら家族がいるんだ

頑張ったね、慧


また頑張れる日がくるまで一緒にいようね

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