慧side ページ32
涼介が帰ってきて、光とご飯を作ってくれてる
俺はずっとそのままソファで膝を抱えている
大ちゃんは何も言わずにただ隣に居て背中をさすってくれてる
大ちゃんが何も言わないのを良いことに、俺はただひたすら安心して大ちゃんの隣に黙っている
大「…慧、そろそろ時間」
ずっと黙ってくれてた大ちゃんが口を開いた
時計を見ればもう19時
…注射をしなきゃいけない頃だ
大「……慧…」
俺は首を横に振る
やだ、やりたくない
こんな子どもみたいな我儘ダメだって分かってるけどどうしても今は病気と向き合いたくない
ガチャ
宏「ただいまー」
光涼「おかえり」
宏太が帰ってきた
そのまま真っ直ぐ俺のところに来る
大ちゃんや光から何か聞いてるのだろうか、
親代わりの宏太はなんて言うのだろうか、怒られるのかな…
ちょっと怖くなって、また下を向く
ポンッ
宏「ただいま、慧」
いつもみたいに頭の上に手が置かれる
宏太の大きくて優しい手が俺の頭を撫でる
顔をあげればふにゃふにゃの笑顔で笑っていた
それに安心して、やっと止まった涙が溢れてくる
慧「…ｯｸﾞｽ……っ…ぅ…」
宏「なんで泣くんだよ〜どーした、大丈夫だよ」
宏太や光が頑張って働いてくれたお金で治療させてもらえてる
それを拒否してる罪悪感に押しつぶされそうだった
宏「…大丈夫大丈夫。今日は食事療法にしてみようか」
大ちゃんの手に持ってる注射器に気づいて、俺が拒否してるのを分かった宏太は、無理に注射させずに違う方法を提案してくれた
宏「体調に変化あるかもしんないけど、物は試しだね。明日俺休みだし、今日は注射やめとこっか」
インスリンを注射しなければ俺は生きていけない
けれど、注射をしたくないくらいに今は限界
それを察した宏太は、食事療法でどうにかしようと言ってくれた
宏「ほら、今日は涼介も手伝ってくれたの？美味しそう！慧、大貴！食うぞ！俺腹減ったよ」
俺と大ちゃんの手を引いて、食卓に連れてってくれる宏太
宏太のおかげで、俺のせいでみんな暗くなってた空気が少し明るくなった
光「慧これ食べてみて。涼介が作ってくれたの」
オクラや玉ねぎには、血糖値の上昇を抑える効果がある
デザートに用意されてるアロエやバナナもそうだ
涼介は俺のために、それを知ってか知らずか作ってくれたらしい
慧「…おいしいよ」
いつもみたいな元気はない、けど素直に感想を言えば
涼「わぁよかった！」
笑顔で喜んでくれた
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めおん♪(プロフ) - マさん» コメントありがとうございます！感想頂けてとても嬉しいです！是非他の作品も見てみてください！ (2020年7月10日 8時) (
レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
マ(プロフ) - はじめまして。気になって読んでみたら、とても感動してしまって、今でも涙がとまりません。すごく感動するお話ありがとうございました。まだ、気になる作品たくさんあるので少しずつ読んでいこうと思います！！ (2020年7月10日 1時) (レス) id: 95edc8c60d (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - ぽむさん» ありがとうございます！！歌詞に気づいて下さってとても嬉しいです！ご拝読頂きありがとうございました！ (2020年6月6日 9時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ - 完結おめでとうございます！！更新頻度が高くてお話も面白くていつも楽しみにしていました！エピローグで歌詞が出てきた時、鳥肌がたちました笑 楽しい小説をありがとうございました！ (2020年6月6日 7時) (レス) id: 5b2251d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - musicmans5962さん» わぁ〜！嬉しいコメントありがとうございます！次回作も頑張ります！ (2020年6月3日 23時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めおん♪
| 作成日時：2020年5月18日 10時
