慧side ページ30
.
目が覚めればそこは見慣れた家のリビングのソファの上
シャッシャッとペンを走らせる音が聞こえる
この音は光だ
よくこうして早退してしまったり、体調が悪く寝ている日は光の仕事を隣で聞いていた
そして隣で寝てるのは大ちゃん
暖かくて安心するんだ
…けど今はその温もりが感じられない
ゆっくりと身体を起こして、当たりを見渡せば大ちゃんはいない
光「…あ、慧。おはよ、早退してきたからね」
なんで大ちゃんいないの?
いつも俺が体調悪い時傍に居てくれたのに…
早退してくる前、保健室にいた時の記憶を思い出す
確か雄也に俺の病気のことクラスに話してもらうことになって…
大ちゃんはそのまま授業受けてるのかな
今頃クラスは俺の病気を知ってなんて言ってるんだろうか…
邪魔?迷惑?
ここまで不安になったのは初めてで、自分でもビックリしている
病気のことがバレたことが嫌とか、じゃなくて…
俺はみんなと違うんだ、病気なんだ
って言われてるみたいで、辛い…
普通じゃない、みんなと違う…
分かってたけど、改めてそういう風に言われてると思うと何もかもが嫌になる
雄也がそんな風な言い方で病気の説明をしてるとは思わないけど、今はそんなに頭が回らない
光「…慧?…一応測っといていい?」
光が測定器を持ってくる
いつものように俺の手をとって測定しようとしただけなのに、、
慧「…っ!! 」
バシッ
俺は光の手を振り払った
自分の手は震えていて、なんで自分がこんなことをしたのか分からなくなって膝を抱えて顔を下げる
光「ごめんね、やだったね…
大丈夫そうだったら測らなくていいよ。
……何かあった?…どうした…?」
慧「………。」
光が聞いてくる
そりゃそうだ、こんなこと初めてする…
なんで自分だけこんなことして生きていかなきゃ行けないのか分からなくなっちゃった
光「気分悪くなったら言ってね…」
俯いて何も言わない俺に、光はそれだけ言ってまた仕事を始めた
.
.
どれくらい経ったのか、ぼーっとしてたら時間が過ぎた
ただひたすら頭の中で、なんで俺は病気にかかってしまったのか、これから一生周りに迷惑をかけて、注射をしなきゃ生きていけないのか
そればかり考えていた
今までだって何度か考えたことはある
でも、その度に亡くなった両親がチラついて『死』について考えるのはやめていた
生きてるだけで有難いって思わなきゃって…
415人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めおん♪(プロフ) - マさん» コメントありがとうございます!感想頂けてとても嬉しいです!是非他の作品も見てみてください! (2020年7月10日 8時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
マ(プロフ) - はじめまして。気になって読んでみたら、とても感動してしまって、今でも涙がとまりません。すごく感動するお話ありがとうございました。まだ、気になる作品たくさんあるので少しずつ読んでいこうと思います!! (2020年7月10日 1時) (レス) id: 95edc8c60d (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - ぽむさん» ありがとうございます!!歌詞に気づいて下さってとても嬉しいです!ご拝読頂きありがとうございました! (2020年6月6日 9時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむ - 完結おめでとうございます!!更新頻度が高くてお話も面白くていつも楽しみにしていました!エピローグで歌詞が出てきた時、鳥肌がたちました笑 楽しい小説をありがとうございました! (2020年6月6日 7時) (レス) id: 5b2251d1f0 (このIDを非表示/違反報告)
めおん♪(プロフ) - musicmans5962さん» わぁ〜!嬉しいコメントありがとうございます!次回作も頑張ります! (2020年6月3日 23時) (レス) id: e177312160 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めおん♪ | 作成日時:2020年5月18日 10時