アイノユウヒ2〜family Love〜

大貴side ページ19

「薬 物だろ？注射器なんか持ち歩いてる奴と同じクラスなんて怖くてしかたねーよ」



高「そうだろう、普通は怖いさ。それを毎日持ち歩かなきゃ行けなかった慧はもっと怖かっただろうな。」



「意味わかんねーよ！早く警察突きだせよ！！」



高「今すぐに理解しろとは言わない。けど、それがなかったら命に関わるんだ。お前らが壊したその1本で、アイツは死ぬかもしれないんだ！…薬 物が悪いという認識をしてるお前らは間違ってない。ただし、ちゃんとした証拠もねーのに慧にヤク中扱いして、挙句には注射器壊して、それがどれだけのことか分かってくれ。」



「まじ意味わかんねーよ、なんかあるなら言えよ…」



高「まずは本人と話してくる。5限はの俺の授業は今日は教室でその話をする。とりあえずカバン盗んだことだけは許さねぇからそれだけ覚えておけ」





初めて聞いたような雄也の冷徹な声
これにはクラス誰1人と何も口を挟めなかった





高「大貴、一緒に行くか？」






俺は頷いて雄也と一緒に教室を出る


途端、涙が溢れた






高「頑張ったな、慧のためにありがとう」





頭の上にポンと手を置かれ、その大きい暖かい手から温もりが伝わる


同時に、さっきの光景が頭に蘇る

なんで慧ばっかりこんな思いをしなきゃならないのか、
なんでみんな分かってくれないのか




大「…ｸﾞｽｯ…っう…悔しっ…なんでっ…」


高「…難しいな、理解してもらうのはもっと難しいかもしれない、でも慧と、慧の傍にいる大ちゃんなら大丈夫。俺もいる、だろ？」




俺がここで泣いてはいけないのに、泣きたいのは慧なのに




大「ｸﾞｽｯ…ゆ、やぁ〜泣」


高「大丈夫、大丈夫。とりあえず泣き止んでから慧のとこ行こうか、今の大ちゃん見たら、慧倒れちゃうかも笑」




俺の頭をポンポンしながら言う雄也はいつも通りの雄也だ

さっきまで、慧のためにアイツらにバシッと言ってくれたときも、
授業中居眠りをしてるの教科書で叩くときも
いつも俺たちにニコニコの笑顔で守ってくれるときも、


先生であり俺たちの強い味方だ




ちゃんと理解してくれる人がいる


それだけで俺らは強くいられるんだ







大「それはダメだよっ！！」


高「ふふっうそうそ笑」







ありがとう雄也


待っててね、慧
慧は俺が絶対に守るから

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