ぬくもり

1.おやくそく ページ2

風邪をひいたときのおやくそく


亮平side

はい、できたよー
涼太の合図でみんな席に着く。

康二は泊まりがけで撮影らしくいない。あと翔太もまだ寝てるか。

みんなでいただきますをして、今日も一日頑張ろう、の朝ごはん。

のはずなんだけど…


『……』

うちのお姫様が手をつけようとしない。
普段朝ごはん食べないと気が済まない、ってタイプなのに。
しかも今日は好きな卵かけご飯。


辰「A、どした？」
大「ほら、早く食べよー？」

それに気づいてみんな口々に声をかける。
こういうとき最初に気付くのはやっぱり辰哉なんだ。


『……きょう、よーちいんいかない…』

って、やっと声を出したと思ったら。どうしたんだろう。


辰「どしたどした」
照「なんかあった？」

あのAが幼稚園行かないって言い出すなんて珍しくて、みんな朝ごはん中断して質問攻め。


辰「ほら、怒んないからいってみ？」
って辰哉が優しく問いかけると、

『……しんどい』

あらま。風邪ひいちゃったかな。
というより俺はしんどいって自分から言えたことに感動してる。



それからの兄弟たちの行動は早い早い。
といっても実際に動いているのは涼太だけで、あとは慌ててるだけ笑


涼「お熱ありそう？どこがしんどい？」

辰「今日は幼稚園お休みしようね、大丈夫だよ」


『……んっ』

優しい兄たちの言葉にぽろぽろと泣き出してしまった。


『りょーたくん、おべんとうごめんなさい…』

なんで泣いてるのかと思ったら、それを気にしてたのか。

Aが通う幼稚園はお弁当だから毎朝涼太が作ってるんだけど、もう出来上がって包まれたお弁当を見たらなかなか言い出せなかったらしい。


涼「そんなことよりAがしんどい方が大変だから、お弁当は全然気にしないでいいんだよ。ほら、ちょっと横になろうね？」

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