6 ページ6
(勇次郎side)
……ちっちゃ
ふざけてもう一回ぎゅーっと思いっきり腕に力を入れれば、僕の腕の中にいるAは逃げようとしているのかモゾモゾ動く。
逃がさないけどね
…Aって、こんな小さかったっけ
こんなに華奢だったっけ
こんなに柔らかかったっけ
……やばい、変態っぽいな、これ
なんでこんなこと思ってんの、僕
女子をこんな風に見たことないでしょ
考えを絶ち切るように思考を切り替えようと試みてみる。
「離してー、勇次郎ー」
「やーだよーだ」
「子どもか!」
「れっきとした中学3年生だけど。A力弱くない?ほんとに力入れてる?」
「入れてるわ!めっちゃ全力で!」
「はははっ、ほんと力弱ー」
「笑うな勇次郎このやろ……あ、愛蔵!動画撮るな!」
え、マジ?動画撮ってんの?愛蔵
「……アイツ、後でシメる」
「賛成」
**
結局Aに全部あんまんは食べられ、愛蔵からもう一つあんまんをもらう。
Aは『動画勝手に撮った罰!』とか言って残りの肉まんとあんまんが入った袋を愛蔵からぶん取って真顔であんまんを食べるか肉まんを食べるか迷っている。
ちなみに愛蔵は罰として一人で店番中。
「Aはさ」
「ちょい待って。今めっちゃ悩んでるから」
「Aはなんでピアノやめたの?」
「………」
え、まさかのフル無視?
Aの方に視線を向けてみれば、細い長めの白色リボンでポニーテールにしているサラサラな黒髪の毛先をクルッと指に巻きつけているのが目に入った。
……癖、変わってないのかな
Aが髪を指に巻きつけているのは、何かを隠そうとしていたりウソをつくとき、強がってるときのサイン。
同じピアノ教室に通っていたとき、小さい子どもながらに気付いていた。
なんとなく聞いただけで無理強いする理由もないのだから、言いたくないなら別にそれで構わないけれど。
91人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
若葉 - あぁぁぁぁ!!待ってましたぁぁ!私の好みにドストライクです! (2022年11月19日 16時) (レス) @page28 id: 7981b3d9d1 (このIDを非表示/違反報告)
朔藍(プロフ) - ひよっこさん» 大丈夫ですよー!ご心配ありがとうございます。 (2022年8月3日 19時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっこ - 掛け持ちして体、特に頭は大丈夫ですか‥?パンクしていませんか (2022年8月3日 17時) (レス) id: 91bebd90a7 (このIDを非表示/違反報告)
朔藍(プロフ) - ひよっこさん» 私はどっちも好き…ですね……曲を聴きながら書くことが好きなんですけど、好きな曲が一筋縄ではいかなかったり切なかったりするストーリーの恋愛曲が多くて。そういうのを聴いてると自然と物語もそっち寄りに…って感じです… (2022年8月1日 17時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっこ - 朔藍さんは甘々とシリアス どっちがお好きですか、私は甘々と溺愛系が好きです。 (2022年8月1日 15時) (レス) id: 91bebd90a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朔藍 | 作成日時:2022年7月30日 20時