雲 【前編】 ページ2
「…ほら、不愛想でしょ?ごめんね、雲羽ちゃん……」
それは失礼だな…
でも、ばあちゃん…それなりに気遣ってくれてんだよな。
だって、嫌われないようにばあちゃんも頭下げてくれるもん
でも、
どうしても気になることがある
『雲羽、さん…今、何歳…?』
Baaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaan
打たれました。
イタイデス。
でも普通何歳か気になるよね!?そーなるよね!?
トトトトトッ と走り去ってしまいました。
多分、僕の隣の空き部屋、使ってるんだと思う。
「…空、いい加減コミュ障直しなさいよ…?」
怒っては
無いらしい
飽きれらてる。
それより、どうすればいいのかさっぱり分からない…
女の子と話すの、というより、この何年間、ばあちゃん以外の女性、半径七十メートルに入れたことない気がする…
『ばあちゃん、これどすればいいの…?』
当たり前だけど、聞いてみた
「頑張るしかないんじゃない?空の隣の部屋、雲羽ちゃん使ってるから、頑張〜」
だよなーっ
ん〜っ、行ってみるかっ!
コンコン
「…はい、」
『雲羽、さん…さっきはすんませんでした。』
カチャリ
ドアがほんの少しだけ空いた。
そこから、綺麗な、作り物のように綺麗な顔立ちの―雲羽が居た。
「何、要件…?」
そこは、「要件、何?」 じゃない?
ま、いいや
『…でも、気にならにゃい?んぐっ…っあ、ごめん、自己紹介、する、ね。僕は、空。高校一年生、…あと、なんだっけ、あっ、誕生日は、五月六日…』
突っかかりながら、言っちゃった。
「…そ。私は、雲羽。あんたと同じ…高一。あとは、」
と、言いながら人差し指を自分の唇に当て、
「…ふぃ・みぃ・ちゅ」
と言った。
少し頬を赤らめている。
仲直り、できたって言えるのかな…?
でも、ちょっとだけど、笑ってるし、
いいんだよ、ね?
あれ?なんか、くらくら…する
『あ……』
そこから、記憶がない。
背中が痛かった気もするし、
あっ、いきなりの急展開で、忘れてた…
なんか、変な翼が生え始めたんだっけ、
あぁ、なんか考えるのもだるくなってきた
?なんかいい匂い、する
「…ん?起き、た…」
雲羽が居た。
何もないけど暗い部屋。ダンボールが隅に置いてあるのが見える。
『…ここ、っなに?僕、どうなったの?』
白い、ふわふわッとしたものが背中にへロッと生えていた。
痛く、ない。
「鎮痛薬、やったけど大丈夫…?」
僕でさえ、驚いたのに、雲羽は驚いていない…?
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作者名:白井ユエ | 作成日時:2021年5月24日 18時