#３６ ページ36
【A】
…朝食からどれくらい経ったっけ…。
多分、もう３分の２は確実にまわった。
多分とかもうとか、一文に使いすぎて矛盾してるんだよなぁ。
ちなみに、今まではなんとか幹部に会うのは避けてきたつもり。オスマンさんと朝食を食べてからはもうあってない気がする。
ただ、メイドさんや兵士は例外だ。
兵士の方々は少し眼を見開いて驚く程度であまり動揺しない。
…まあ、写真を撮ろうとしてきた人がいてこっちが驚いたけど。
しかし、メイドさんは『可愛い…！』やら『え、トントン様のものでは？』やらいちいち反応してきてうるさい。
中にはガンをつけてくるやつも。
もう勘弁してください、わざと着てるけどわざとじゃないんです…！
と、周りをコソコソと見て角を曲がる。
すると。
「…ん？おお、トントンじゃないか！！珍しいな、こんな時間にここにいるなんて。てっきりまた部屋で書類整理でもしているのかと思ったぞ！」
あっ。死ぬ。
後ろを振り向いたら死ぬ。
おそらく後ろにいるであろうあの５歳児低音はグルッペンさんだろう。
しかし、まだ私の存在には気がついていないようで。
…まあ、いつバレるかなんておおよそ見当はついているが。
「いつもなら『誰のせいで』なんて嫌味を言うはずなんだがな…。というか、背が縮んでないか？」
痛いところつかれたな。
と、歩みを早めると、いきなり首に手が回ってきて、頭にゴリ…と固い感触。
「トン氏…何かあったか。」
「ひぁっ。」
思わず声が漏れる。
頭に当てられたものが拳銃だなんて、容易に想像できたからだ。
しかし、それを合図にグルッペンさんは私の顔を覗き込み、不機嫌そうだった顔をだんだんと元に戻す。
…それどころか、だんだん口角を上げて、楽しそうにニヤリとほくそ笑んだ。
「…なるほど。どうりでチビなわけだ。」
くっそ…。
バレたこととチビと言われたこと２つになんとも言えない悔しさを覚える。
すると、壁に軽く私の身体を押し付け、逃げられないようにしてからまた笑顔になったグルッペンさん。
「さて。…経緯を聞こうか。」
少し冷たく放たれたその言葉。
しかし、本人は怒ってなどいなかった。
むしろ探究心から微笑みがやんでいない。
「あの、あまり話したくないんですが…。」
「ほう？殺されたいと。」
ヤメテクダサイ物騒デスヨ総統サマヤダー。
仕方がなく、ことの全てを話した。
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
