#３５ ページ35
「なるほど。Aちゃんらしいめう。」
「…どういうことですかね。」
控えめに聞いてみると、ニィッとオスマンさんらしくない笑いを見せた。
「あのゲーム、大先生が勝てるように仕組まれとるで。」
…え？
仕組まれてる…？
「と、いいますと？」
「せやから、Aちゃんが負けるのは偶然やなくて、必然やったってこと。…でも、それでもAちゃんは大先生の言うことに反論せんかったんなら最後までがんばらないと。」
「えぇ…。」
とりあえず、大先生は殺る。
しかし、ゲームは終わらないことを伝えられると、不安が途端に再発した。
汚さないように椅子の背もたれにかけてある軍服に目をやると、また少し辛くなった。
「それにしても。」
水を喉に通して微笑むオスマンさん。
「軍帽までかぶっちゃって、Aちゃん可愛いめう。」
ぐっと胸に熱が昇り、恥ずかしくなった。
『そんなことないです…』と顔を俯かせると、頭を撫でられた。
子供扱い、だめ、絶対。
ご飯を食べ終わり、オスマンさんにお礼を言って身を整える。
「じゃあそういうことで…。」
「他言無用やな。わかっとるよ。」
今度の笑顔はだいぶ信用でき、ダイニングルームを後にした。
【オスマン】
すぐにインカムをつなげる。
相手はトントンにしたいところだが、流石にそれではAちゃんが可哀想なので、大先生に。
一瞬で出たところ、おそらく大先生も暇人なのだろう。いつもと変わらない声で『マンちゃん、どしたん？』なんて聞いてくる。
「Aちゃんに全部聞いたんやけど…。」
「ああ！！とんちに襲わせようって計画のことやね！」
「はあ？」
思わず顔をしかめた。
これだから大先生は…。
「そのことは全部グルッペンがなんとかするって言っとったやん。“例の薬”もぺ神がほとんど完成品に近いものができたっていっとったよ。」
そう呟いた瞬間、インカム越しに明るい空気が伝わってきた。
「それほんまに！？よかったわぁ。」
大先生のその声は少し心を震わせた。
=====
少し補足を。
鬱大先生が少し悪役のような形で書かれていますが、全くそのようなことはありません。
主からみたら嫌なやつかもしれません。
しかし彼は、「自分に害があるので同僚の機嫌を直したい」という建前の裏に「童貞である友達の女づきあいの背中を押したい」という本音が存在しています。
つまり、ただのいい奴なのです。
駄文失礼しました！
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
