#３４ ページ34
【A】
…なんか背筋が一瞬凍った。
この、誰かに見られているような感じ。…気持ち悪い。
少し自意識過剰になっているのかもしれない。
ただ、嫌な予感は相変わらず。
「みなさん目覚めがいつもより早くないですかねぇ…。」
あたりが騒がしくなってきて、思わずより挙動不審になった。
いつもならまだほとんど誰も起きていない時間帯、なのになぜ物音が…。
まさか。
「大先生…謀ったな。」
こんなことをするのは大先生かコネシマくらいだと思う。
どっちかなんて、頭を働かせるまでもなく分かった。
すると、ガチャ、と音がしてすぐそばの扉が開く。
そこにいたのは、オスマンさんだった。
慌てて扉の裏に隠れようとしたが、屁をひって尻つぼめ。ただの不審者と化す。
「えっと…A…ちゃん？」
「やっ…えっとぉ…これは…えへへ。」
サッと後ろを向いて逃げの体制に入るが、オスマンさんは狡い。
「このこと、トントンにバレとうないんちゃう？」
ぎくっと心が軋み、恐る恐る振り返ると、またいつものような笑顔が待ち受けていた。
そして、優しい声色で放つのだ。
「ほら、そこ食堂やろ？朝ごはんのついでに話してくれへん？」
優しい声色でも怖いものは怖い、それはトントンさんのみならずオスマンさんにも言えたことだった。
弱味を徹底的に炙り出し、物事を自分の都合のいい方に出来る限り持って行く。
それも、暴力ではなく、言葉で。…いや、ある意味言葉の暴力だわ、これ。
そんなおすまんさんの圧倒的威圧感に、敗北してしまう。
「わかりました…。だからトントンさんに言わないでくださいね、ほんと…。」
「うーん、わからないめう〜！」
「ちょおっ！？意地悪しないでくださいよオスマン様〜。」
ひたすら捏ねる。こんな不利な状況下に置いた大先生を、おそらく一生恨むことになるだろう。
…まあ、ゲームに参加したのは自分なんだけど…。
ええい、この際そんなこと関係ない！！
食堂に入ると、
「全部、大先生のせいなんですよ！！」
バナナオレをぐいっと飲み干して一息に叫んだ。
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
