#３３ ページ33
【鬱大先生】
「ほーん、Aちゃん早起きして早く回ろうって思ったんやな？…まあ、ここはそんなに早く回れるような狭い場所やないから懸命やな。」
そう、１人監視室でにんまりと。
でも、城内一周は走っても午後まではかかるやろ。
それに…。
「これからいろんな人に会うもんな、Aちゃん？」
あたりをキョロキョロしながら顔を少し赤らめて城内を注意深く歩くAちゃんに意地悪をしたくなる。
そして、インカムに手を伸ばした。
監視室にあったマイクに電源を入れ、思い切り地面に叩きつけると…。
『キィィイィイン！！！！』
爆音が響いて思わず顔をしかめる。
しかし、本当に顔をしかめているのはおそらく…。
「うっさいねん！！誰や！！殺すぞ！！」
「おおん！？どーせシャオロンとかやろ！！」
「俺とちゃうって！！ったく…この安眠を妨害したんは誰や！！」
うんうん、いい具合に目覚めたな。…穏やかやないけど。
そこで、インカムに自らの声を吹き込んだ。
「すまんすまん！間違えて音入ってもうた…まあ、ええモーニングコールやったやろ…？」
ブーイングの嵐が即座に吹き荒れる。
一部の人は『ガバ先生』なんて。
もう許してくれ…。
お前らの目的のためやぞ。
また悪い顔を浮かべてしまう。
と、みんなが怒りのインカムを切り終えたかと思った時だった。
１人だけまだ切れていない。
「もう大先生なにやっとんねん…ん？あれ、え？」
どうやらその１人はトントンだったようで、いきなり慌て始めた彼に優しく受け答えをする。
「どしたん、トントン？」
「いや、あのな。
…軍服が消えてんねん。」
ニィッと口角が上がるのがわかる。
しかし、あたかも心配するように言う。
「大丈夫なん、それ…。」
「まあ…な。でも、夕食までには無いと困るわ…。大先生何か分かったら教えてくれへん？」
『おっけー！』と返事をしてからインカムを切った。
すると、高笑いが口から漏れてくる。
「トントンにめいっぱい愛してもらうんやで？」
自分で言って自分でぞくっと背筋に冷たいものを感じるのはもう末期の証拠だろう。
画面の中に映る当の本人も肩を震わせてからまた歩を進めた。
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
