#２１ ページ21
次の日、ぶらぶらと城内を歩き回っていたときだった。
「あっ、君がA？」
白い軍服に身を包んだ温厚そうな男性が１人。
たしか…ひとらんらんとか言ったはず。
刀を携帯しているが、特に殺意は感じられない。
『はい』と短く返事をすると、ひとらんらんさんは微笑んだ。
「農家やりたいって聞いたよ！…農家ってわけじゃないけど、畑やってるから手伝ってほしいな。」
別に農家は建前なんですけどね。
でもまあ、ここの国では何を栽培しているのか、興味がないといえば嘘になる。
「もちろん手伝います。連れて行ってください！」
こっちもニッコリ微笑むと、ひとらんらんさんはばってんじるしのマスクを取って、門へと歩いて行った。
門に着くと、やはりカードキーを取り出してそれを開ける。そして、手招きをした。
うーん、なるほど。門を抜けた先は庭で、その先の大門にはたしか兵士が数人いるのか。
これは逃げづらい。
ただ、カードキーは工夫すれば奪えそう。
「どうしたの、A。畑はこっち。」
「あっ、ああ。すみません。」
ぼーっとしていたからか、真っ直ぐにずんずん進んでいた。
少し歩いて行くと、裏庭らしき場所に着く。
そこには、温室や畑、田んぼなどがあり、様々なものが栽培されていた。
これは正直すごいな、うん。これだけの広さの土地がただの裏庭に過ぎないだなんて。
元いた国は我々国のクローゼットにも満たないじゃないですか。
そして、既に働いている人がいた。
このオーバーオールは…。
「シャオロンさん？」
「おっ！Aやん！腹の方は大丈夫なん〜？」
「回復はしてますね！」
ほんと、この回復力は半端ない。今でもあんな太い剣で傷を負ったなんて、信じようにも信じられないくらい痛みを感じていない。
もちろん、しんぺい神…ぺ神さんの治療のおかげでもあると思う。
すると、ひとらんらんさんは困った顔をした。
「そ、そっか。痛めてるんだっけ。」
『じゃあ手伝いはやめたほうがいいか』と食い下がるひとらんらんさん。
暇なので、大丈夫アピール。
「全然大丈夫ですよ、ひとらんらんさん！むしろやらせてください。」
そう言うと、数十秒考え込み、ひとらんらんさんはまた笑って言った。
「うん、大丈夫なら頼むね。でも、無理はしないで。…あと、『らんらん』でいいよ、長いから。」
…？
あ、名前のことか。
流石に呼び捨てもどうかと思い、『らんらんさん』と呼ぶことにした。
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
