#１６ ページ16
「でも私も鬱大先生さん蹴りましたし…。」
謝ると、クスクスと笑われる。
「『大先生』でええよ。ほら、それなら『さん』づけと大して変わらんやろ。」
なんだか妙に説得力がある。
トントンさんのことを『トントン』と呼ぶよりもずっとメンタルが削られない。
「２人の戦っとるとこ見てないんやけど、どうやったん？嫌やなかったら聞かせてぇ。」
妙に高いいい声。
大先生はパンにジャムを塗って食べていた。
戦ってるところ…考えただけで鳥肌立ってきた。
「トントンさん強かったです。あと、蹴られた時がめちゃくちゃ怖かったです。」
「Aやって強かったで。俺の蹴り受けて走ったのお前が初めてや。」
なるほど、ここの幹部の方々はトントンさんの蹴りを受けることがないレベルに強いと、納得。
「ええっ、走れたん！？トントン手加減したんとちゃうか！？」
違った、被害者がいたわ。
『そんなわけないやん』と冷たく答えるトントンさん。
「ま、まあ…生きるか死ぬかの戦いだったんで…。」
本音です、ええ。
「大先生に押し倒されたんやろ？変なことされてないん？」
今度はトントンさんの方から話題がふられた。
大先生…ね。
「変なことはされそうになったんですけど、さっきも言ったとおり蹴ったんで、はい。」
「ほんま、容赦なくてびびったわ。キスの１つや２つしようと思ったんやけど。」
…冗談か本音か読み取れないこの笑顔。
恐ろしや恐ろしや。
「大先生…ほんまに引くで、それは。」
「女の子に剣通す方が引くわ！！」
「残念ながら否定できませんね。」
すると、トントンさんはむっとした。
なに、可愛くない？
「ごちそうさまでした。」
３人同時に食べ終わり、食器を持っていこうとすると、トントンさんに止められた。
「メイドたちが持ってってくれるから大丈夫やで。」
なんだか、もう仲間にされている気がして嬉しい反面、少し嫌だった。
「大丈夫です。私はまだメイドなんか雇うような大層な人じゃないですから。」
余裕な顔をして食器を手に持つ。
「ほーん、『まだ』か。」
トントンさんにニヤリと笑みをこぼされた。
別にこれから我々国のスパイになるわけじゃ…！
と、反論する暇も与えられない。
「楽しみにしとるからな。」
全く…この人の圧はどうにかならないんだろうか。
周りのメイドたちがトントンさんを止めるが、全く聞かずに彼は厨房へと皿を持っていった。
もちろん、私も。
…ちなみに大先生は知らない。
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
