第26話 ページ26
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「変えたいって……」
鶴丸国永は二代目の審神者の時に顕現した刀だったはずだ。今の審神者の代で顕現した燭台切光忠がそう言うならまだ話は分かるが、二代目の行いを見ればそんな言葉は絶対に出てこないはず。一体どういう心境が──？
思わず鶴丸を凝視すると、鶴丸は次第にバツが悪そうに頬をかいた。
「実は、二代目の顔をほとんど覚えていなくてな」
「ええと、それはつまり？」
「俺がここで打たれて、いざ顕現って時に政府の奴らが鍛冶場に入ってきたんだ。俺の目の前で、あれよあれよという間に審神者が連れていかれてしまってな」
その後、事情を知る刀に話を聞いたところ、刀剣男士に対する数々の悪逆非道振りを聞いた政府が、鶴丸顕現に浮かれて油断した審神者をひっ捕らえたということらしかった。
「だから、厳密に言えば俺は二代目の刀だが、実際に慕っていたのは今の審神者だ。今の主は本当に優しい」
笑みをこぼす鶴丸を見ると、本当に大事に育てられたというのがよく分かる。そんな審神者のことだ。一代目や二代目のせいで傷ついた他の刀たちにも分け隔てなく接していたのだろう。きっと、傷を癒そうと奮闘したはずだ。
だが変えられなかった。もしかすると悪化したのかもしれない。それほどまで彼らの負った心の傷は深かったのだ。今までの審神者の行いを全く知らない鶴丸からすると、もどかしかったのだろう。
だからなんとかして現状を変えたいと申し出てくれた。いくら口伝で人間は危険だと伝えられたとしても、より良くしたいという気持ちのほうが勝ったというわけだ。
──それに。
おそらくそれは、現審神者が所在不明になっていることにも関係している。それをひた隠しにしている彼らにも、何か秘密がある。
「一応聞くけど、鶴丸は何も知らないんだよね？」
「ああ。俺も主の消息を追っている。……だがまあ、それも上手くいかなくてな」
「上手くいかない、とは？」
「きみ達もここへ来て分かったと思うが、俺と光坊以外のほぼ全員が人間に対して恨みを持っている。あいつらにとって、主を慕う俺たちは異端者ってわけだ」
そう言って鶴丸は人差し指を立てる。
「つまり、情報が全く入ってこない」
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ファイ(プロフ) - さく茶さん» さく茶さまー！何故か全て通知が入っていなくて気づくのが遅くなりすみません。読んでいただきありがとうございます…！覚えていてくださる方がいてとても嬉しいです。あんなシーンこんなシーンアップデートして頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (7月22日 16時) (
レス) id: 277853dcfd (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - この作品、ストーリーがあまりにも私の癖にぶっ刺さりすぎていて大好きだったのでまた読むことができてとても嬉しいです。お肉付けマシマシどんとこいですので、気長に待っております。応援してます！ (7月2日 19時) (レス) id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - 修正前に読ませていただいておりました。 たまたま新しい作品を漁っていたところ、こちらの強烈な序章を見てもしやと思ったのですが修正されていたとは…！ (7月2日 19時) (レス) @page10 id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
汐羅(プロフ) - また待ってますね！1人で勝手にニヤニヤウフフしてます笑 (2018年8月27日 22時) (レス) id: caabfee640 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ(プロフ) - 汐羅さん» 汐羅…？もしかしてフォロワーの汐羅さん！？3回以上も読み返してくれただなんてありがたやありがたや…(>人<)正直、もう誰も興味ないだろうなって思ってたからほんと嬉しいです！頑張ります！ (2017年12月5日 10時) (レス) id: 9102f485be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファイ | 作成日時：2016年4月16日 19時
