第25話 ページ25
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「暴走……」
Aはぎゅっと布団を握りしめる。頭痛目眩は霊力の枯渇信号かと思っていたが、まさか暴走前の症状だったとは。暴走はあまりに酷いと脳にダメージが行くため、何事もなく回復したのであれば不幸中の幸いと思えば──
「ですので！ 今日は！ 絶対安静です！」
「わ、分かったよ」
若干引き気味になるAに、こんのすけは更にずいっと詰め寄った。
「霊力を求められても断固拒否してください！」
「分かったってば」
枕元に置かれた眼鏡に手を伸ばしつつ、再度こんのすけの頭を撫でて
そしてふと視界に映ったお盆と吸い飲みを見つけ、思わず「あっ」と声を上げた。
「こんのすけ。これ、誰が持ってきてくれた？」
「ああ、それは────」
「俺だぜ」
こんのすけが開けっ放しにしていた襖から声が聞こえ、二人は驚いたように顔を上げた。ひょいっと顔を覗かせた声の主は、真っ白の髪の毛に真っ白な内番服姿で、よっと片手を上げていた。
Aは暗記した刀帳を頭の中でペラペラと捲る。
直後、一人該当する刀剣男士に辿り着いた。
「………鶴丸国永？」
「大当たりだ」
にんまりと笑って鶴丸が足を踏み入れる。腹の上のこんのすけを見ると、表情を明るくさせていた。
──ってことは。
「もしかして、鶴丸が布団に寝かせてくれた？」
「ああ。布団に潰されてたからな」
……何となく覚えている。布団を押し入れから引っ張り出そうとして布団の重さに負けたのだった。となると、うなされていた中で水を飲ませてくれたのも彼だろう。
「ありがとう。助かった」
その場で頭を下げると、ひらりと片手を上げて「気にするな」と軽い応えが返ってきた。
よっこらせと鶴丸がAの横に腰を下ろす。
そしてAの額に手を当て、うんと小さく頷いた。
「熱はないみたいだな。光坊に頼んで、あとで卵粥を持ってきてやろう。食べられそうか？」
「あ、うん」
看病らしい看病をしてくれることに戸惑いながらも頷く。こんのすけの態度を見る限り、きっと警戒はしなくて良いのだろうと思うが、まるっきり信じるのはまだ難しい。
……いや、助けてもらっておいてそれは失礼か。
そんなAの気持ちに気付いたのか、鶴丸はじっとAを見つめたあと、意を決したように口を開いた。
「お役人。俺は、この本丸を変えたい」
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ファイ(プロフ) - さく茶さん» さく茶さまー！何故か全て通知が入っていなくて気づくのが遅くなりすみません。読んでいただきありがとうございます…！覚えていてくださる方がいてとても嬉しいです。あんなシーンこんなシーンアップデートして頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (7月22日 16時) (
レス) id: 277853dcfd (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - この作品、ストーリーがあまりにも私の癖にぶっ刺さりすぎていて大好きだったのでまた読むことができてとても嬉しいです。お肉付けマシマシどんとこいですので、気長に待っております。応援してます！ (7月2日 19時) (レス) id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - 修正前に読ませていただいておりました。 たまたま新しい作品を漁っていたところ、こちらの強烈な序章を見てもしやと思ったのですが修正されていたとは…！ (7月2日 19時) (レス) @page10 id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
汐羅(プロフ) - また待ってますね！1人で勝手にニヤニヤウフフしてます笑 (2018年8月27日 22時) (レス) id: caabfee640 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ(プロフ) - 汐羅さん» 汐羅…？もしかしてフォロワーの汐羅さん！？3回以上も読み返してくれただなんてありがたやありがたや…(>人<)正直、もう誰も興味ないだろうなって思ってたからほんと嬉しいです！頑張ります！ (2017年12月5日 10時) (レス) id: 9102f485be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファイ | 作成日時：2016年4月16日 19時
