第24話 ページ24
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ふっと意識が浮上する。
障子越しに陽の光が部屋を明るく照らしていた。
目だけをさ迷わせて現状を把握しようとするが、今が何月何日なのか、何時なのか、寝る前に何があったのか上手く思い出せない。
ただ分かることは、部屋の真ん中に敷かれた布団に寝かされ、スーツだったはずの服も浴衣タイプの寝間着に着替えさせられていたということだった。
上体を起こすと、あれほど感じていた目眩や頭痛は一切感じなかった。熱もなく、何だか頭もすっきりしている。
疲れが出たかな、なんて思いながら思いっきり伸びをすれば、ちょうど部屋に入ってきたこんのすけと目が合った。
「あ、こんのす」
「橘様ぁあ！！」
「けぇ"！？」
どすっと勢いよく胸に飛び込んできたこんのすけを抱きとめながら、布団に逆ダイブする。おいおいと泣くこんのすけの頭を撫でて笑みを返した。
「心配かけてごめん。霊力分けて疲れが出たみたい」
「違いますからね！！」
「へ？」
「疲れじゃなく、霊力の過剰摂取による霊力暴走です！」
「過剰摂取！？」
まさかの返答にAの声が裏返った。
がばっと起き上がってこんのすけを見下ろすと、怒ったような顔をしながら可愛らしい足でAの胸を二、三度叩いた。
「そうです！ 高熱が治まらず、文字通り三日三晩寝込んでいたんですから！」
「三日三晩」と反芻して呆然と外へ繋がる障子へ目を向ける。あれから三日も経っていたのか。
「えっと、俺の記憶が正しければ、霊力を分けたのは俺だったよね？」
「ええそうです。ですが逆流しました」
「逆流……？」
霊力は、ざっくり言うと分ける者の体液を分けられる者が口にすることで成立する。つまりはあの時、Aは三日月に血を与え、A自身は三日月の体液を口にしていない。なのに──
「……！ 唾液か！」
「その通りです」
Aは己の手のひらに一筋の傷を付け、それを三日月が口にした。だがその時、同時にその傷口から三日月の唾液がAの体内に入り込んだのだ。
普通、それくらいで逆流は起こらないのだが、与える側のAの霊力があまりにも少なく、逆に与えられた側になってしまったということだった。
「霊力の器が小さい橘様に、三日月宗近の持つ霊力が入ったことで、体内で暴走を起こしたのです」
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ファイ(プロフ) - さく茶さん» さく茶さまー！何故か全て通知が入っていなくて気づくのが遅くなりすみません。読んでいただきありがとうございます…！覚えていてくださる方がいてとても嬉しいです。あんなシーンこんなシーンアップデートして頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (7月22日 16時) (
レス) id: 277853dcfd (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - この作品、ストーリーがあまりにも私の癖にぶっ刺さりすぎていて大好きだったのでまた読むことができてとても嬉しいです。お肉付けマシマシどんとこいですので、気長に待っております。応援してます！ (7月2日 19時) (レス) id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - 修正前に読ませていただいておりました。 たまたま新しい作品を漁っていたところ、こちらの強烈な序章を見てもしやと思ったのですが修正されていたとは…！ (7月2日 19時) (レス) @page10 id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
汐羅(プロフ) - また待ってますね！1人で勝手にニヤニヤウフフしてます笑 (2018年8月27日 22時) (レス) id: caabfee640 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ(プロフ) - 汐羅さん» 汐羅…？もしかしてフォロワーの汐羅さん！？3回以上も読み返してくれただなんてありがたやありがたや…(>人<)正直、もう誰も興味ないだろうなって思ってたからほんと嬉しいです！頑張ります！ (2017年12月5日 10時) (レス) id: 9102f485be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファイ | 作成日時：2016年4月16日 19時
