第20話 ページ20
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そういったこともあり、審神者になれるのは霊力が基準値以上ある者と決まっている。元を辿れば養成学校の入学条件にもなっており、仮に何かの影響で霊力が少なくなった場合は、輸血と似た要領で他の審神者から霊力を補う場合もある。
もちろん一時凌ぎには過ぎないのだが、それでも解決までの時間稼ぎにはなるのだ。
「えっ、と……」
だが、Aの場合は霊力が極端に少なかった。
霊力が豊富らしい代々木であれば造作もないことだろうが、Aが同じようにすればどうなるか分からない。霊力というのは生まれた時から決められており、意図的に増やしたり減らしたりはできないのだ。
「いけません」
凛とした力強い声が足元から聞こえる。案の定こんのすけは威嚇にも似た眼差しで三日月を見上げていた。
「諸般の事情により、代々木様の霊力を分けることは出来かねます」
「しかし、お主たちはかの撲滅課なのだろう？ 審神者の確保や保護だけではなく、我ら刀剣男士の保護も第一優先のはずではないか？」
ぐっとこんのすけが言葉に詰まった。
確かに、撲滅課は刀剣男士の強制刀解と審神者の処罰が代行できる唯一の部署ではあるが、あくまでそれは「最悪の場合」であり、むやみやたらにできるものではない。三日月の言う通り、そうでなければ審神者の保護や刀剣男士の保護が優先されるのだ。
つまり、彼が言いたいのは、霊力を分け与えるのは刀剣男士の保護に繋がるということの主張であり、それを無視するということは規則に反するという警告でもあった。
「こんのすけ……」
彼が何故そのことを知っているのかという疑問が頭の中を駆け巡る。まるでこちらの行動を見透かされているような気がして仕方なかった。
だが、いくら考えたところでAたちに残された選択肢はもはや存在しない。霊力を与えるよりも霊力を与えないことのデメリットのほうが明らかに大きいのである。
「……こんのすけ、ちょっとだけなら良いよね」
「代々木様！」
「大丈夫。いざとなったら止めるから」
ぐっと握りこぶしを作って殴ってやるぞというポーズを見せる。こんのすけは「ですが」と異議を唱えてくれようとしていたが、結局はそこで押し黙ってしまった。やはりデメリットの大きさがそれを許さないようだった。
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ファイ(プロフ) - さく茶さん» さく茶さまー！何故か全て通知が入っていなくて気づくのが遅くなりすみません。読んでいただきありがとうございます…！覚えていてくださる方がいてとても嬉しいです。あんなシーンこんなシーンアップデートして頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (7月22日 16時) (
レス) id: 277853dcfd (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - この作品、ストーリーがあまりにも私の癖にぶっ刺さりすぎていて大好きだったのでまた読むことができてとても嬉しいです。お肉付けマシマシどんとこいですので、気長に待っております。応援してます！ (7月2日 19時) (レス) id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - 修正前に読ませていただいておりました。 たまたま新しい作品を漁っていたところ、こちらの強烈な序章を見てもしやと思ったのですが修正されていたとは…！ (7月2日 19時) (レス) @page10 id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
汐羅(プロフ) - また待ってますね！1人で勝手にニヤニヤウフフしてます笑 (2018年8月27日 22時) (レス) id: caabfee640 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ(プロフ) - 汐羅さん» 汐羅…？もしかしてフォロワーの汐羅さん！？3回以上も読み返してくれただなんてありがたやありがたや…(>人<)正直、もう誰も興味ないだろうなって思ってたからほんと嬉しいです！頑張ります！ (2017年12月5日 10時) (レス) id: 9102f485be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファイ | 作成日時：2016年4月16日 19時
