第16話 ページ16
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ここで迂闊な判断をすれば強制刀解の道は免れない。自分たちだけならまだしも、他の仲間も天秤にかけるとなると話は別だろう。
二人は押し黙った。
つまり、最初から彼らに選択肢など無かったのだ。
有無を言わさぬ物言いに、Aはただ隣で感心すると同時に、この先も同じようなことが起こりうるであろう未来に不安を覚える。こんのすけがこんなに強気で話が出来るのだから、相棒である代々木はもっと立ち回りが上手いはずだ。
今後、こういった局面に陥った時、Aに今と同等かもしくはそれ以上のことが出来るのだろうか。
「……分かった。空いてる部屋を案内するから着いてきて」
加州が重い口を開き、コートを翻して歩き出した。和泉守もAたちをひと睨みしたあと、加州について行くようにして踵を返す。
「……ひとまずは第一関門突破、ですね」
こんのすけがAを見上げてほっとした表情を見せた。そこでようやく、自分は交渉はおろか会話すら出来ていなかったことに気付いた。
「ごめん。出来ることをするって言ったのに、俺……」
「何を言ってるんですか。これは私の仕事ですよ」
安心させるようにこんのすけに、Aはさらに項垂れる。なんでもないように言っているが、明らかに気を遣われてしまっていた。
「本当にごめん」
「橘様。これは本当に……うーん」
そんなAを見かねたこんのすけは、暫し迷ってから「実は」と口を開いた。
「代々木様も基本的にひと言も喋られません」
「……へ？」
「とりあえず行きましょう。歩きながらお伝えします」
促され、戸惑いながらも敷地内に足を踏み入れる。こんのすけは勢いよく跳躍し、ひょいっとAの左肩に飛び乗った。
「代々木様と橘様のやり方は違うでしょうから、あえて代々木様がどのような方だったのかはお伝えしていませんでしたが……。代々木様は寡黙な方でしたので、やり取りはほとんど私が行っておりました」
「ってことは、つまり……」
「さっきのようなことはザラにあったということです」
ぽかんとするAに、こんのすけは呆れたような顔で尻尾を一度振った。
「良く言えば独壇場。悪く言えば横暴と言いますか。その他にも威圧感と言葉遣いをもう少しなんとかしてほしいとは思っているんですよ。私のことも、こんのすけと呼ばずに『狐』と呼んでいますし」
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ファイ(プロフ) - さく茶さん» さく茶さまー！何故か全て通知が入っていなくて気づくのが遅くなりすみません。読んでいただきありがとうございます…！覚えていてくださる方がいてとても嬉しいです。あんなシーンこんなシーンアップデートして頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (7月22日 16時) (
レス) id: 277853dcfd (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - この作品、ストーリーがあまりにも私の癖にぶっ刺さりすぎていて大好きだったのでまた読むことができてとても嬉しいです。お肉付けマシマシどんとこいですので、気長に待っております。応援してます！ (7月2日 19時) (レス) id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - 修正前に読ませていただいておりました。 たまたま新しい作品を漁っていたところ、こちらの強烈な序章を見てもしやと思ったのですが修正されていたとは…！ (7月2日 19時) (レス) @page10 id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
汐羅(プロフ) - また待ってますね！1人で勝手にニヤニヤウフフしてます笑 (2018年8月27日 22時) (レス) id: caabfee640 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ(プロフ) - 汐羅さん» 汐羅…？もしかしてフォロワーの汐羅さん！？3回以上も読み返してくれただなんてありがたやありがたや…(>人<)正直、もう誰も興味ないだろうなって思ってたからほんと嬉しいです！頑張ります！ (2017年12月5日 10時) (レス) id: 9102f485be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファイ | 作成日時：2016年4月16日 19時
