第12話 ページ12
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三人目の審神者はとても穏やかな性格だと言う。人の話はしっかりと聞き、どんな相手にでも寄り添える者だった。
「一年前に引き継いで就任しました。報告書もきちんと提出されており、心配していた残存の刀剣男士との関係も良好だと聞いています。特別監視対象の本丸から要観察対象へと変わったのは彼の功績とも言えるでしょう。ですが最近、めっきり顔を見なくなりまして……。連絡すれば応答してくれるのですが、様子を見に行くと言っても『大丈夫だから来なくていい』と言うのです」
実際、連絡無しに訪問したこともあったが、毎回不在だと言われて会えない状態が続いていたという。
「とうとう政府より、官邸に赴き顔を見せるよう要請がかかったのですが応じず、再三の警告にも従わなかったためブラック本丸と認定され今に至ります」
こんのすけは視線を逸らしてまた歩き始めた。その姿に何と声をかけたら良いのか分からなくて、Aはただその小さな背中を追いかける。
代々木がいない間、こんのすけはいろんなものを背負い込んでいたらしかった。
「その審神者と共にいるはずのこんのすけとも連絡が繋がりません。最後に見られたのは半年前の万事屋で、店主の話では思い詰めたような顔をしていたと聞いています」
「……何を、買いに来たんだ？」
答えは何となく分かっていた。それでも聞いてしまうのは、導き出された答えを否定したいからなのか。
こんのすけも少し言いずらそうにして、ちらりとAに目線だけ向けた。
「『痛みを緩和させる薬は売っていないか』と聞いたそうです」
「痛みって……」
「人間用の、です」
Aは胸の内に広がるわだかまりを吐き出すようにして息をつき、口元を覆った。止まりそうになる足を動かして睫毛を震わせる。
痛みを緩和させる薬というのは、通常の痛み止めとはまた違った薬のことだ。持続されている痛みを和らげるもの──つまり、麻薬と同等のもの。
麻薬と聞くと違法麻薬を想像する人も多いが、医療現場における麻薬というのは一般的に医療用麻薬と呼ばれ、例えば痛みが強く出るガン患者等に対して痛みを和らげるために使われる。
しかし医療用とはいえ麻薬は麻薬。もちろん扱いはとても慎重に行わなければならず、誰でも手に入れることが出来るものではない。ましてや、万事屋なんぞで手に入れることが出来るなんてあってはならない。
しかし問題はそこではなかった。
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ファイ(プロフ) - さく茶さん» さく茶さまー！何故か全て通知が入っていなくて気づくのが遅くなりすみません。読んでいただきありがとうございます…！覚えていてくださる方がいてとても嬉しいです。あんなシーンこんなシーンアップデートして頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (7月22日 16時) (
レス) id: 277853dcfd (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - この作品、ストーリーがあまりにも私の癖にぶっ刺さりすぎていて大好きだったのでまた読むことができてとても嬉しいです。お肉付けマシマシどんとこいですので、気長に待っております。応援してます！ (7月2日 19時) (レス) id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
さく茶(プロフ) - 修正前に読ませていただいておりました。 たまたま新しい作品を漁っていたところ、こちらの強烈な序章を見てもしやと思ったのですが修正されていたとは…！ (7月2日 19時) (レス) @page10 id: a42496714d (このIDを非表示/違反報告)
汐羅(プロフ) - また待ってますね！1人で勝手にニヤニヤウフフしてます笑 (2018年8月27日 22時) (レス) id: caabfee640 (このIDを非表示/違反報告)
ファイ(プロフ) - 汐羅さん» 汐羅…？もしかしてフォロワーの汐羅さん！？3回以上も読み返してくれただなんてありがたやありがたや…(>人<)正直、もう誰も興味ないだろうなって思ってたからほんと嬉しいです！頑張ります！ (2017年12月5日 10時) (レス) id: 9102f485be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ファイ | 作成日時：2016年4月16日 19時
