検索窓
今日:14 hit、昨日:3 hit、合計:41,510 hit

5 ページ7


 
 その噂の彼が、今目の前にいる。
 まるで夢の様な出来事に、息もできない。目の前に相沢綾斗君がいるなんて。そして、私の首を絞めようと、両手を私の首にかけている。けれど…
 

 「はあ?お前何言ってんの」
 

 彼は呆れ顔で私をただ見ている。
 

 「…あっ、えっと、あの…」
 

 直前に自分が言ったことを思い出して顔が熱くなる。
 

 「(もしかして私、焦って告白しちゃった…!?)」
 
 「お前、僕のこと好きなの?」

 「あっ……ち、違うんです…!いや違わないけど…っその…思わず口に出してしまったというか…」

 
 彼はやけに冷静だ。彼が手に持っていた生首は、いつの間にか地面に転がっている。
 

 「お前さ、普通この状況でそんなこと言う?」

 「…言わないです、ごめんなさい」
 

 思わず俯くと、彼は深いため息をつき、こちらを見下げた。
 

 「気が動転しておかしなことを言ったの?それとも、僕に殺されると自覚して気を逸らせようとしたの?」

 「どっちも違います!今のは、本気で…」

 「本気で…何?」
 

 疑いと期待が入り混じったような目をして、彼は私の顔を覗き込む。

 
 「本気で…ずっと好きだったので…思わず…」

 「……謝ってよ」

 「へ?」
 
 「お前のこと、証拠隠滅に殺さなきゃならないのに、完全に萎えたじゃん。謝ってよね」
 

 …からかわれているのだろうか。と思わされるほど、彼の表情には面白がっている様子が見てとれた。とりあえず、今は大人しく謝っておこう。

 
 「ごめんなさい…」

 「よろしい」

 
 彼はにっこり笑って、絞めかけていた手を離し私の頬を引っ張った。
 

 「もっかい謝ってみて?」

 「…ごめんなひゃい」

 「……」
 

 彼は笑いをこらえている。完全に遊ばれている…と私は少し恥ずかしくなった。

6→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (69 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
52人がお気に入り
設定タグ:オリジナル , ヤンデレ , 創作 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ポエム(プロフ) - 【お知らせ】登場人物イラスト、世界観イラスト更新しました。 (2019年3月26日 16時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - あうんさん» ありがとうございます!!気に入ってもらえて嬉しいです…!更新頑張りますね!! (2018年11月2日 22時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
あうん(プロフ) - ヤバイ…どストライクすぎます!あんずちゃんの狂った感じがたまらないです!更新応援してます! (2018年10月31日 6時) (レス) id: 8621d19bdc (このIDを非表示/違反報告)
ポエム(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます…!!更新頑張ります^^ (2018年10月13日 7時) (レス) id: 40cccc9e32 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 読みやすいし面白いです!応援してます! (2018年10月10日 14時) (レス) id: 7f2ddeb6c2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ポエム | 作成日時:2017年10月21日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。