2つに別れた兄弟 ページ8
白露視点
今自分の前にはよく知る刀剣が居る
一期「白露殿!」
ずっと一期一振が声を掛けてくる
でも今は構っている隙がない
目の前にあの女が居るんだ
折角の奇跡なのだ
逃がすわけには行かない
「煩い」
暫く刀を交えていると
椿「一期!突き飛ばして女を連れてこい!」
ガキンッ
一期一振は俺を突き飛ばして女を抱え走っていく
普通なら追いかけるだろうが俺は追いかけなかった
何故か倦怠感を感じた
どうせ俺は政府に捕らえられ、檻に閉じ込められる。
生け贄を捧げられ怒りが収まるのを待たれる
それが"本霊"の扱いだから
「小陽…小陽…」
心が闇に覆われていく
「最後…話したかった」
バァンバァンバァンバァン!!
ダッダッダッ
「長…頼んだぞ…」
政「妖婆斬白露を本体に戻せ!!」
「人間は…全員…コロス」
雫視点
僕は今暗闇にいる
なんの音も聞こえなくて、見えなくて、まるであの本丸に居たときみたい
「あっ」
遠くに少しだが光が見えた
「…行ってみるか」
少しずつ光に近づく
あと少しで辿り着く!
そう思い手を伸ばした瞬間光は消えてしまった。
けど一瞬何か赤いものが見えた
「他の光を探してみようか…」
暗闇の中を注意しながら歩く
所々に小さな光が見える
けれど駆け寄ろうとすると消えてしまう
「…どこにも出口無し、か…」
キラッ
「ん…?」
キラッキラッ
「また光…行ってみるか」
今まで見た光より強い光の方へ手を伸ばし触れて見る
「これは触れられるんだ…ん?」
光の中に何かが見える
興味がわき近づいて見る
顔と光の距離が拳2つ分位になったとき
目の前が灰色の桜の花弁で埋まった
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作者名:翠扇 | 作成日時:2022年3月30日 2時