黒服のＷＥＳＴくん 2

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Aside



中間「Aさん。ちょっと。」



暗い気持ちでも接客をしていると中間さんから呼び出しがかかった。




貴『……はい。』




私は裏口のところへ呼び出されて叱られた。




中間「A。今日暗いで？お客様に最高のおもてなしやろ？」



貴『……』




中間「はぁ……もうええよ。今日は上がり。」



そう言って中に入って行った中間さん。
わかってる。中間さんはなんも間違ったこと言ってないって。




貴『ふぅ……』




私がダメやん。フロアに立ってるのに暗い顔で。なのに涙が出てくる。自分が悪いのに。ダメダメや……




貴『望……』




自然と望の名前が出てくる。すると後ろのドアが開いた。




貴『のぞ……』




萩花「ごめんね？望じゃないねん。」




萩花さん……？




貴『す、すみません。邪魔ですよね。スグにどきますから。』



私はその場から立ち去ろうとしたけど萩花さんに手首を掴まれて止められた。




貴『なん……』



萩花「望に近づかんといて？」




貴『へ……？』



萩花さんから出た言葉に驚き変な声が出る。




萩花「だから、望に近づかんといてって。神山君みたいにされたくないやろ？」




神ちゃん。思い出すと今でも震えが出てくる。倉庫に閉じ込められて弱った神ちゃん。もう誰も傷つけたくない。




萩花「それに桐山さんも重岡さんも。」




貴『や……やめて……』





萩花「やめて？望に近づかんかったらいいだけやで？」




そう言い残し去っていく萩花さん。
私は再び俯いてしまった。

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